カーテンの隙間から零れる光で目を覚まし、少し目を開けると私の腕の中には最愛の彼女のヒメがおりました。本日は私の仕事が休みだったため泊まりに来ていただきました。休みというのも実に数週間ぶりでございました。
そのせいで昨日は少しヒメに無理をさせてしまったせいか、まだ目覚める様子はありません。その長い睫、柔らかい頬、ふっくらした唇へと順にキスを落として行きます。
「・・・のぼりさん?」
くすぐったそうに目を開け、私の名前を呼ぶ彼女。まだ半分は夢の中のようでぼんやりとしたまま無意識に私の胸元へ擦り寄ってまいります。これを無意識でするのでたちが悪いのです。
「そろそろ起きないとまた食べてしまいますよ?」
ゆっくりと耳元で囁くとぱっちりと開く彼
女の瞳。
「お、起きます!」
「おや、残念。体は辛くありませんか?」
「腰が痛いです。ちょっとは手加減して下さいよ。」
「いくらヒメでも難しいお願いでこざいますね。」
「意地悪。」
むうっと膨れているヒメを抱きしめると、私の背中に手を回して抱き返してきました。いつもは恥ずかしがりがってして下さらないのに。
「珍しいですね。」
「だって朝から一緒に入れて幸せなんですもん。」
「そんなに可愛いことを言って私をどうしたいのですか?」
「え?」
ヒメをベッドへ戻そうとすると、リビングから騒がしい音が聞こえてきました。大方目を覚ましたポケモン達が騒ぎ始めたのでしょう。さて、ご飯をあげねば寝室にも押しかけて来そうでございますね。ヒメを抱き上げると、ぎゅうっと私の首に手を回してきます。良い子ですね。目を合わせ視線がぶつかり、
「行きましょうか?」
「はいっ」
日常
(君がいる日常がずっと続きますように。)
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