ブーゲンビリアの庭園

「自分で出来るよ?」
「いーの!ぼくがするの!」

仕事が終わってクダリが家に帰ってくるなりペディキュアを塗らせて欲しいと言った。クダリの言動はたまによく分からないことがある。どうしても塗りたいと言うため、クダリの言うことを聞くことにした。

「私が持ってるポリッシュの中なら色選ぶ?」
「ううん、さっき買ってきたので塗るからいい。」

...さっき買ってきた?
クダリみたいな立派な成人済み男性(しかもイケメン)が買う姿はさぞかし不思議だったろう。
いそいそと私をソファに座らせてその足元にクダリが腰を下ろした。そしてゆっくりとポリッシュの蓋を開けて丁寧に塗り始めた。

「わ、綺麗な色。これ何ていう色なの?」
「ブーゲンビリアって書いてあったよ。」
「ブーゲンビリアってお花だよね?」
「僕もあんまり詳しくないけどそうみたい。」

いつものニコニコ顔ではなくて、真剣な表情で一本一本慎重に塗り進めていくクダリを見ながら、こんな表情もかっこいいなぁなんて考えていた。またひとつクダリのことを知ったような気がした。

「出来たー!」
「クダリ上手!やっぱりこの色すっごく良い色!」
「絶対ユキに似合うと思ったの!」
「そうなの?」
「そ!だって僕がユキを想って選んだ色だよ?似合わないわけないもん!」

なんでさらっと恥ずかしいこと言っちゃうんだろう。耐性がない私は何も返す言葉が見つからなくてただ俯いた。足元から私の隣りに移動してきたクダリに耳元でそっと囁かれた。

「ユキかわいい。
ね、ブーゲンビリアの花言葉って知ってる?」


私がブーゲンビリアの花言葉を調べて、指先を綺麗に彩るネイルを見る度にどきどきしてしまうのはもう少し先のお話。




ブーゲンビリアの庭園
(あなたしか見えない)







***
みあ様リクのクダリ甘でしたー!
花言葉でブーゲンビリアだったので、前に見たブーゲンビリアという色のマニキュアが綺麗な色だったなあと思い出して書きました^^拍手もキスシリーズが好きのお言葉を聞いたので拍手チックにしてみました(笑
企画にご参加ありがとうございました!!





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