パンジーの思惑

数年に一度、バトルサブウェイの責任者達が集まる定例会がございマス。もちろんワタクシとエメットも例外ではないため、久しぶりにイッシュ地方に訪れました。柄にもなく少しだけ楽しみにしているワタクシがいました。

「インゴさん!エメットさん!」
「お久しぶりでございマス。」
「ハーイ!相変わらずカワイイね!」
「もう、エメットさんこそリップサービスがお上手なんですから。二年ぶりくらいですかね?」

彼女は鉄道員のユキ。長く務めているためワタクシ達とも面識があります。やはり女性がいると華がありますね。ワタクシ達の所も女性の鉄道員の導入を考えてみましょうか。

「ユキにオミヤゲ買ってきたよー!」
「いつもすみません、でも嬉しいです!」
「ボクからは紅茶ダヨー。」
「ありがとうございますっ」
「ワタクシからはこれを...」
「わー!綺麗な花束!」

こうして毎回オミヤゲを彼女に持って来るのが通例になっていました。エメットの紅茶はワタクシ達の地方で有名なもの。そしてワタクシが渡したのはパンジーの花束でございマシタ。

「あれ?...う、あ、これってパンジー...ですよね?」
「そうだよー?どうかしたの?」
「や、何でもないです!」

急に赤くなって慌てているようでした。
これはもしや...

「ユキ、こちらへ。」
「え?待ってよー!ボクはー?」
「オマエはそこらへんで廃人共の相手でもしていなサイ。」
「ヒドイ!」

ユキの手を引いて誰もいない休憩所へ連れて行きました。その間もずっと俯いていました。なんとも可愛らしい姿でございます。ワタクシの隣に座らせて逃げられないように手はそのまま繋いだままに。

「パンジーの花言葉を知っていますね?」
「は、はい...この前読んだ雑誌に載ってて...」

ワタクシの問い掛けに少し肩を揺らし、視線を合わせないまま小さく返事をしました。

「そうですカ。ならば話が早い。ユキ、ワタクシはオマエのことをそう思っているのです。」
「あ、あの、私も同じ気持ちです!」

ワタクシは立ち上がり、また彼女の手を引いて執務室へ向かいました。戸惑いながらも大人しくついてくるユキ。

「インゴさん!どこに行くんですか?」
「ノボリとクダリのところです。
「オマエの異動の許可をもらいに、」
「え?」
「この定例会が終わった後はオマエもワタクシ達と一緒にあちらへ連れて行きます。何か異論でも?」
「...っ!ありません!」
「宜しい。」

ワタクシ欲しいと思ったものはどんな手を使ってでも側に置いて置きたいのですから。







パンジーの思惑
(私を想って、)









***
千鶴様から頂いたインゴの片想い→両想いでしたー!
初インゴさん!
個人的には横暴でちょっとツンデレ気味なインゴさんが好きですw
お気に召して頂けたら嬉しいです^^
企画にご参加頂きありがとうございました!






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