07
「ここのお料理すっごくおいしいですね!」
一緒に食べている此方まで幸せになるようなお顔で箸を進めていらっしゃいるヒメ様。ヒメ様と一緒だと私の世界も今以上に色付いたものに感じるような気さえ致します。
「ところでさ、ヒメが今日言ってたことってどういうことなの?」
クダリが乗り出すようにして尋ねます。
「ノボリさんとクダリさんを信じてお話するので他言無用でお願いします。
お察しの通り私はポケモン達の言っていることが分かります。でも全てはっきりと聞こえるわけではなくて、あくまでなんとなく理解出来る程度です。もちろん中には聞こえない子もいます。イッシュ地方に来てからボロが出ることはなかったんですけど、あの時は何だかつい気が緩んじゃいました。」
ブラボー!
素晴らしい!
世にはそういった方がいると噂はございましたが、まさかヒメ様がそうだったとは!大変愛らしくお優しい上にポケモンも言うことがわかるとは、まさに天使のような方でございます!
「ヒメすごい!ぼくポケモンの言葉がわかる人初めて見た!今度ぼくのバチュルが何て言ってるか教えてよ!」
「はい、任せて下さい!」
クダリと楽しそうに話しているヒメ様を見て、やはり私はヒメ様にお願いをしたい気持ちが固まって参りました。
「ノボリ、やっぱりぼくヒメにあの事お願いしたい。」
さすが双子といったところでしょうか。考えていることは同じでございますね。
「おや、奇遇ですね。私と丁度同じことを考えておりました。」
「やっぱり?決まりだね!」
不思議そうにこちらを大きな瞳で見てくるヒメ様を真っ直ぐ見つめ、ひとつひとつ言葉を選びながらクダリは話します。
「ヒメ、ぼく達からヒメにお話したいことがあるんだ。いきなりでびっくりしちゃうと思うんだけど、ちょっとで良いから真剣に考えて欲しいんだ。」