05
「黒ボス,白ボスちょっと入るでー」
と聞き慣れたコガネ弁がドアの向こうから聞こえてきました。
「ええ、どうぞ。」
「どしたのー?」
入ってきたのは、鉄道員のクラウドでございました。
「迷子のポケモンがおったから連れてきたで。入っといでー。」
ひょっこりとクラウドの後ろから現れたのは、クルミルを抱きかかえたヒメ様でございました。
「ヒメ様!」
「ヒメ!」
「なんや、ボス達の知り合いなんか。このお嬢ちゃんが迷子のクルミルを見つけてくれたんや。」
「お久しぶりです。この子トレーナーとはぐれちゃったみたいなんですよね。」
と、困ったように眉を下げて笑うヒメ様。
「おや、それは困りましたね。駅内アナウンスで放送しましょうか?」
「やっぱりそれが一番良いかもしれんなあ。」
「えっと、トレーナーの方は女性で、髪がポニーテールで、 双子の方みたいですよ。」
「それってトウコじゃないの?」
「ああ、あのようバトルサブウェイに来るえらいバトルが強い双子か。」
「トウコ様に間違いありませんね。」
「ねえ、ヒメ。なんでそんなことわかるの?誰かに聞いたの?」
私も言おうと思っていたことをクダリが代弁しました。ミクはしまった、というような顔をして言葉を濁します。
「あー、えっと、それはですねー、うーん、この子に聞きました。」
「え?」
「はい?」
「は?」