ノスタルジックガール | ナノ

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今日の晩御飯はクダリさんのリクエストのオムライス。よく炒めたバターライスにふわふわの卵、その上にデミグラスソースを乗せて出来上がり。付け合わせのスープも気に入ってくれたみたいで良かった。
それからデザートを食べて、お風呂に入って、ポケモン達と遊んでそろそろ明日に備えて寝る時間だ。ノボリさんの帰りを待ってようかと思ってたけど、先に寝てて下さいってメールが来てたし、明日は久しぶりの出勤でやらなきゃいけないことも多いだろうから先に寝させてもらうことにしよう。さて、どうしよう、どこで寝よう。いつもはノボリさんの部屋だけど、部屋の主がいないのにそこで一人で寝るのもなぁ。よし!今日は久しぶりに自分の部屋で寝よう!

クダリさんにおやすみを告げて、自室のベットに潜り込む。しばらく目を閉じてみるけど眠れない!今日は結構疲れてるはずなんだけどなぁ。寝返りを打ってみたり、寝心地の良い場所探してみるけど変わらない。何か温かい飲み物を飲んだら寝れるかも。ベットから起き上がって薄手のカーディガンを羽織ってキッチンへ向かう。お湯をかけて、何を飲もうかなとぼうっと考えていた。

「眠れないの?」
「わ、びっくりした!」

後ろから急にクダリさんに声を掛けられてびくりと肩が跳ねた。なんだかデジャヴ。

「そうなんですよ。だから温かい飲み物でも飲もうかと。」
「ぼくにもココアちょーだい。それ持ってぼくの部屋で一緒に寝よ?一緒だったらきっと寝れる!」
「良いんですか?」
「もっちろん!」

マグカップを持っていない方の手でクダリさんと手を繋いでクダリさんの部屋に向かう。ノボリさんの部屋とは正反対の色使いの部屋だ。ベットに寝転がり、零さないように紅茶を飲む。ほっとするなぁ。

「モデル楽しかった?」
「はい、すごく!カミツレさんも満足してくれたみたいです。」
「可愛いヒメを早く見たいな〜」
「あ!カミツレさんがもし私が誰なのかってで問い合わせが来たらバトルサブウェイで働いてることを伝えてくれるそうです。これでバトルサブウェイのお客さんが増えたら嬉しいです。」
「そうだね!でもヒメが人気者になっちなうのはさみしいなー。」
「もー、何言ってるんですか。私なんてカミツレさんのおまけですよ?」
「おまけだったら良いんだけどなぁ。さ、そろそろ寝よっか!はい!」
「?」
「手!手繋いで寝るの!」
「ふふっ、はい。」
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」

帰る時も思ったけど、クダリさんの手は温かくて安心する。さっきまで眠気が来なかったのが嘘みたいに睡魔に襲われる。そのまますうっと眠りに落ちて行った。







もう寝てしまっているのでしょう。
そっとドアを開けて家に入るとリビングは既に明かりが消えていました。私は早くヒメの顔が見たくてそのまま自室に向かいました。てっきり私の部屋で寝ていると思ったのです。自室は今朝出て行ったままで誰もいませんでした。ヒメの部屋にいるのかと思い、そこへ向かうももぬけの殻。残りはクダリの部屋でした。静かに入ると会いたくて堪らなかった彼女がそこにはいました。クダリと手を繋いで気持ち良さそうに寝ておりました。流石に起こすのは忍びないと思ったので、軽くキスだけ落として名残惜しくも立ち去りました。満足とはとても言えませんが、少しでも顔が見れたので良かったです。数日離れていただけですが、また明日から一緒に働けるのがとても嬉しいのです。






「もー、そんなに会いたかったなら自分の部屋に連れてっちゃえばいいのに。変なところで真面目なんだから。」

クダリが起きていて、ぽつりと呟いたのを私は知りませんでした。

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