ノスタルジックガール | ナノ

01

初めてお会いした時感じた、胸が焼け付くような感情を、私は今でも忘れることが出来ないのです。









ライモンシティ。

ここは遊園地やスタジアム、ミュージカルなど沢山の娯楽施設が建ち並ぶ大変華やかで賑やかな街でございます。

私はライモンシティの名所のひとつである、ギアステーションのバトルサブウェイでサブウェイマスターを務めておりますノボリと申します。


バトルサブウェイでは、シングルトレインは21連勝、更に屈強なトレーナー達が連ねるスーパーシングルトレインでは49連勝しなければ私とバトル出来ません。
最近は私のこところまで来られる方がめっきり減ってしまったのが残念でございます。








その日はシングルトレインで勝ち進んでいる方がいるとのことで、私は最後尾で待機をしておりました。

しばらくして、車輌に一人のトレーナーが入って参りました。まだあどけなく、女性と少女の丁度真ん中くらいでしょうか?大きな瞳に華奢な身体、大変愛らしい出で立ちの方でございました。



「初めまして。お手柔らかにお願いします」



と、鈴が転がるような可愛らしい声で、にっこり笑って言う彼女に、私は言わなければいけないいつもの台詞もすっかり頭から抜けてしまう位に魅了されてしまいました。


それからのバトルはあっという間でございました。彼女の手持ちのランクルスに私のポケモン達は3タテという結果でした。いくらシングルトレインとはいえども、これには驚きました。

バトルが終わり、嬉しそうにランクルスに抱きつき勝利を喜んでいました。それからくるりと向き直り、


「本気で戦わないのですか?」


と言いました。
彼女は気付いていたのです。
シングルトレインではある程度の力加減で戦わねばいけないということに。

prev next

[ back to top ]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -