ノスタルジックガール | ナノ

12

え、なにこれ。
ほんとにこの人たち此処に住んでるの?






ノボリさんとクダリさんに連れてこられたのはギアステーションから歩いて5分くらいのところにあるマンション。これ一体何階建てなの?しかもエレベーターに乗って着いた先は最上階。うわあ、60階だって。正面のエントランスを開けるカードキー。エレベーターに乗るためのカードキー。そして部屋を開けるための暗証番号と指紋認証。

「あ、このフロアぼくたちの部屋しかないからね。」

嘘でしょ。あり得ない。

「中へどうぞ。」

見た目通り広い。広すぎる。大きな窓からライモンシティも一望出来る。しかも最新のシステムキッチンだ。でもあんまり使った後がない。勿体ないなあ。というかこの部屋は全体的に生活感がない。それよりも私言わなきゃ。

「ヒメ様?どういたしましたか?」

「あ、あの!家賃はいくら払えばいいですか!?」

「家賃?そんなのいらないよ?」

「でもっ!流石にこんなすごいところにタダで置いてもらうのは・・・」

「私たちが来て欲しいと申し上げたのです。気にしないで下さいまし。」

「そうそう!じゃあさ、ヒメにはごはんとかお願いしたいな。ぼくたち見ての通り寝に帰ってくるだけだから、帰ってきたらおいしいごはん食べたい!」

「そんなことで良いんですか?」

ね、お願い。ってクダリさんが小首を傾げながら言ってる。この人可愛いなあ。ほんとに年上?ってそうじゃなくて!料理は好きだけどそれじゃあ絶対に割に合わない。

「そんなことではありませんよ。私たちそれがとても嬉しいのです。」

少しだけ口角を上げて言うノボリさん。あまり表情が変わらない人だと思ってたけど、意外にそんなことはなくて。

「はい!じゃあ全力で頑張りますね!」



ふと、クダリさんが思い出したように、

「ヒメっていつから働いてもらう?」

「そうですね。制服などもございますし一週間後位が丁度良いでしょう。」

「制服・・・ですか?」

制服?あの鉄道員さん達が着てる緑色のを着ると思ってたけど違うの?

「あれ可愛くない!ヒメには可愛いの着て欲しいもん。」

可愛いのって。それは職権乱用というのでは。

「確かに一理ありますね。では明日は休みですし、彼女に相談するとしましょう。」

「それいいね!」

彼女?彼女ってだあれ?






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