09
ぽかんとしている私にふたりは説明をしてくれた。
「バトルサブウェイって結構お客さん多いんだけど、その分迷子になっちゃうポケモンも多いんだよね。」
「大体の場合はパニックで落ち着いて下さらないことが多く手を焼いているのです。」
「そうなの。でもヒメがいてくれたら解決でしょ?」
淡々と話すノボリさんと、にっこりと笑って言うクダリさん。このふたりってほんとに対照的なんだなあ。あ、でもバトルの時のノボリさんは今とはちょっとイメージ違うかも。心底楽しそうな感じが伝わってきたし。
「いきなりで驚かせてしまいましたか?」
ぼうっとそんなことを考えていたら、申し訳なさそうに話しかけられた。
「すぐに返事してなんて言わないからゆっくり考えてみて。」
「はい。前向きに考えてみます。明日はおふたりとも出勤ですか?」
「ええ。」
「では明日のお昼頃にお返事に行きますね。」
「そんなに早くていいの?」
「大丈夫です。」
「じゃあぼくギアステーションの入口で待ってるね!ランチでもしながら聞かせて?」
その日はそれから解散して、泊まっているライモンシティのポケモンセンターまで送ってもらった。近くだったからお断りしたんだけど、「暗くなってからの女性の一人歩きは大変危険ですよ!」ってすごい剣幕でノボリさんが言うものだからお言葉に甘えてお願いした。クダリさんも嫌な顔ひとつしなかった。ふたりともかっこよくて優しくてバトルが強くてモテるんだろうなあってなんだか見当違いの事を考えながら部屋に入った。
さ、私は今日のことについて考えなくちゃ!