かきもの | ナノ


銀河を理論として、数字としてしか捉えられないぼくに、きみはあまりに新鮮だったんでしょう。きみがぼくらのために目標を指さしたあのとき、ほんとうは、笑い飛ばすことだってできたのです。それが自然に呑み込めたのはまるきり言葉の通じない文化を不思議に、そして素敵に思うのに似ている。つまりぼくにとってはきみが宇宙人で、視点を変えれば何だって宇宙なのです。ぼくはきみにぼくらの言語を教えてあげる、きみは跳ね除けないで受け入れる。たぶんぼくらはそんなことを望んでいたのだと思います。とおく、さびしがりで一人を知っていると聞きました。嘘のようだけれど、信じられるのはきっと、どんな異端もにこやかに手を伸ばすその姿が面影を残すからでしょう。ぼくらの牙をむく一人とは向こう岸の、ばからしいやさしさに結果すくわれている。頭を下げなければならない立場なのです。だけどきみはそうすると驚くでしょうし、ぼくらだって今も矜持のかたまりで、それならばこの書面をもってでも、いっそ、ほんとうのことをすべて伝えられたらと思うのです。翔くん。






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