ねためも | ナノ



閲覧注意?










「とうさん」
この子は化物だ。私はそう確信するのである。
「あなたのことを何と呼んだら良いでしょう?」
私の脚の上に子供らしからぬ空気を纏わせて跨った彼は耳元でそう囁いた。くらと目眩がするのは寝不足、の所為だとした。我が子はぬるりと太腿を擦り寄せる。私は声も出せずにいる。
「キスしたいです、それに、」
それにもっともっといやらしいことも。修也は腰を落とす素振りを見せる。私は私の額に手の甲を当てた。頭がぐらつく。どうして、身動きひとつできないなど…
私は震えていた。震えを支配するのは怖れでも悲しみでも無かった。私は気がつくと妻のそれに形の似た唇を舐めあげていたのである。
「ねえ、」
甘ったるいサキュバスの声が耳朶を這った。

「母さんはあなたのことを何と呼んだのですか?」

(嗚呼、私は何ということをしてしまったのだろう!)

私は確信した、
我が子はほんとうの化物になってしまったのだと。








110412 夜半に醒める




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