士郎くんはいつもにこにこして、いいねえ。
(おまえが×ねばよかったんだ)
争いごとを好まないやさしいよい子だねえ。
(弱いだけさ、無力なガキだよ)
シュートは上手じゃないのかな?見せてよ。
(どうせできやしねえよ、ホラ)
人の裏側の声しか僕には聞こえないのです。それを全く聞こえないふりして、つんぼのふりして、僕はにこにこ、にこにこ。にこにこして人を傷つけるすべを知りました。聞こえてくる言葉をただそのまま返してやればよかったのです。それだけ。それでも僕はにこにこ、にこにこ。
(頭の足りない子になっていれば、しあわせだったのです。)
おばかなふりして、にこにこ、にこにこ。
111124 三月マーチ