ねためも | ナノ





港から見える海は鉛のように黒くたゆたう。海って青いものだろ。そうやって暗くなると色を変えるところ、俺とそっくり。
円堂はオレンジ色。オレンジ色は夕焼けの色。夕焼けに照り返る波はオレンジ色になるだろう、俺だって多分そう。
だけど夕陽が、夕陽の光は目に毒だよ、涙が止まらないよ、目が潰れちゃうよ、俺は夕陽から目を反らす、途端に波間は真っ暗になって、変温動物風丸一郎太は死ぬんだ。温かいのになあ、温かいのになあ。自分から逃げておいて、俺は死ぬんだ。でも大丈夫、逃げても平気。
俺は恒星になった。




111114 白色矮星




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -