ねためも | ナノ


シャーマンキング




じゃましちゃだめよ、

「わたしを見てください、葉さまほんとは知ってるはずです。わたしが、すこしでも、長く永く葉さまの視線をわたしのものにしたい気持ち、わ、わ、わたしが、」
わたしは言葉を詰まらせてしまった。こうなると考えて考えて考え抜いた台詞は声帯の周りで震えないままわたしの喉を破裂させようとして、呼吸ができなくなってしまうのだ。わたしはなんて馬鹿者だろう!
葉さまがわたしに駆け寄った。そうして彼がわたしの背をさすって、なあ大丈夫かと、棘の抜かれた斑入りの声で語りかける。なんの後ろめたさもない視線はわたしのものなのになぜか、そんなときだけわたしの目はぼんやりして何も見えない。
じゃましちゃ、だめよ。
子どものころ叱られたあの恐怖が今もわたしの基盤となり、代行して呼吸を続けていた。




111104 stopper




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -