ねためも | ナノ








「監督の手は大きいですね、俺、監督の手好きです」
後ろから抱きしめた豪炎寺が腕の中にすっぽりと収まったまま言うので、俺はどうもこそばゆくなる。目を閉じて擦り寄る彼に所属する手はまだ幼さが残って柔らかい。背徳感、同時に感じうる自分に不相応な何か。
「豪炎寺だって直ぐだろう、中学生が成長するのなんて」
あっと言う間だ。
その言葉は吸い込んだ息と共に胃に溜まっていくのだろう。豪炎寺が振り向いて止まった音に不思議そうな顔をする。あどけなさ。恐らく自分の知る何より深い色をした信じきった目。しかし俺はとてもかなしくなってしまった。






勿忘草も枯れゆく秋の終わり



110403 ネバーランド




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