ダンボール戦機




子供から父親を奪ってほんとうに良いものか？
ジンは幾度も頭の中でそれを反芻した。咀嚼できない何物かが消化不良で頭痛を引き起こしている。あまりに煩わしく、ジンはこめかみを押さえつけた。
（構わないだろう……これは僕のことじゃないんだ、）
疎ましい、天候も学校の空気も反射するランスの白さもぜんぶぜんぶ疎ましい。
（山野バンは僕みたいに独りぼっちじゃない、それに僕にはおじい様が、いるから、良いんだ）
何も同情する必要はないのだと彼は丁寧にアイロン掛けされた虚飾を整えた。友人はこの小さな皇帝ただひとりだけで充分なのだ。





111018 詰問