ねためも | ナノ




「ビョーキしたわ」
「病気?」
「そ、ビョーキ」
「性病?」
「ばぁーか、違うから死ね」
勿体ぶってんじゃねえよ、どうせつまんねーことだろうが。健康診断サボってるテメーの所為。俺もだけど。
「じゃ何だよ」
「アンタにゃ言わなァい」
「は」
俺はタバコ吸わねえけど、小鳥遊は吸った。香り付きの奴だったね、その日は。紫煙宙を舞ってドーナツ作ってる。訳ワカンネーよ。
「ビョーキよ、ただのビョーキ」
「んなの知らねって」
「腹に風船飼うビョーキだって」
「だから……あ、え」
そしたらアイツ女狐の目で笑ってんの。これから無様にどんどん膨らんでくんだ。誰の、って訊かなかった。開いた口が塞がんないっていうよりは、口が開かなかった。

アイム/カミング/アウト



111010 カミング




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