ねためも | ナノ


インスピレーション
あもりさんへ密やかに捧ぐ






さて俺は、生前のおまえに言われたとおり自身の庭にその身体をうずめてやった。
(星屑が口元からそろそろと零れ出すので、少し掬ってガラスの器に大事に仕舞った。)
そこで、以前読了した短編の一節をふと思い出し、貝殻で縁取られたおまえのそばにどっかりと座った。これからそんな、陽が数えきれないほど昇り沈みを繰り返すのを黙って見ているのはなかなか心身に堪えそうである。
(白百合になると言っていたっけ、あいつもあのひとも)
貝殻の白さ、まだ見ぬおまえの骨の白さ。苔むした花壇へ寄り添うであろう百合の……おまえの白さ。
濡れた土の匂いを嗅いでいるうち、夜の高速道路のように陽が明滅をして、俺はそこで目が覚めた。隣にはおまえが眠っている。大方、流星群の夢でも見ているのだろう。何の変哲もない、こうして俺はおまえの首筋にあまく歯を立てる。



110930 サティスファクション




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