ねためも | ナノ








もう遅いんだ。後悔した。せっかくドリップしたコーヒーがテーブルクロスに染みを作っているのを見て、無性に泣きたくなる。もう遅いんだ。コーヒーでない雫がクロスの上にこぼれおちないようにわたしはそれ以上立ち尽くすことをやめた。悔しいけれど、挽きたてはやはり良い香りがする。その香りに似つかわしいよく焼けたトーストを食べたいのに、食パンはどこにもなかった。苺のジャムだけが残っていてきれいな赤色を自慢気に晒していることにまた悲しくなった。どうしてお前がここにいるんだ。




110730 ある日の朝食




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