ねためも | ナノ








僕は手紙を書くのが好きだ。
電話でもメールでもなく、手紙を書くのが好きだ。だからといって、筆まめさんって訳じゃあないけれどもね。
豪炎寺くんに手紙を出した。というかあげた。すると豪炎寺くんは次の日に、右肩上がりの縦長な文字で、ぴったり行をあけずに僕に手紙を返してくれるのです。
文面に横たわる『吹雪』という文字を見つけるたび、僕は幸せで幸せでどうにも笑顔が零れ落ちてしまって。おかしな話だけど、ああ豪炎寺くんはちゃんと僕の存在を知っているんだなあとか、ああ僕はちゃんと生きているんだなあとか、つくづく思ってしまう。そして豪炎寺くんが       ということも。


手紙っていうのは時に電話より感情表現が上手なのです。例えば悲しみに暮れるとき、紙面に涙が落ちたとする。乾いた跡がよれちゃって文字が滲んでしまって、そしたら敏い相手は気づくでしょ。豪炎寺くんがそうでした。周りにばかり敏感に反応して自分のことは知らんぷり。豪炎寺くんの悪いところだよ。僕はせっかく、泣きはらしたことがバレないようにそおっと目をハンカチで押さえたのにね。どうして泣いたかは秘密。秘密ではあるけれども、

豪炎寺くんのせいだよ。




110418 おてがみ




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