ねためも | ナノ








しんじまえ!と良くきみは言うけれどもね、きみは嘘つきだというのをわたしは知っているからその口癖が偽りなのも承知しているよ。
しかしね、わたしがきみに死ねと言ったそのとき、わたしの心は寸分の狂い無しにきみの死を願っているのだ。わたしは毎日毎日きみの最もうつくしい死にざまを描いては素晴らしさに肺腑を衝かれる。きみは亡骸になるのが良い。そうしたらわたしはきみを毎日毎日抱いて離さぬだろう。毒殺がいちばんうつくしいのだと、わたしの敬愛する作家は言っていたけれども?きみも、そう。青酸カリでもチョコレートに入れてみないかい。


涼野は嘯いてみせた。彼は南雲を愛していたのでこれほどまで南雲の死を誇張して願ったのであった。南雲はそれを知っていた。嘘つきはそっちだろ、と正してやれば涼野は雪解けの微笑みを浮かべ、その通りだやはりきみは素晴らしいと南雲を手放しで褒めた。







110418 天邪鬼




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