Commemoration | ナノ


※飢えて、渇いて。僕の腕の中で。(ジュミラ)




※観覧注意








ミラの服装は、イバルが選んだものだと聞いたことがある。
動きやすいもの、それがミラの1番であり、この服装に落ち着いていた。
それ以外でも、ミラの服装は、露出が多いものばかりだった。アルヴィンやローエン、街の人達はミラを見て、「ついつい目がいっちゃうんだよな」と言っていた。

ジュードは、ミラの意志を尊重せねばと、服装に関して言うのを我慢していたが、露出が高くても、もう少しどうにかなるものではないのかと、服を選んでいるイバルを恨めしくも思っていた。

クリスマスの時期が近づいてきたある日、ローエンから、クレイン邸でクリスマスパーティーをやるから、皆さんで行きませんかと声がけがあった。
レイアとエリーゼは目を輝かせて、「行くっ!」と即答した。パーティーが苦手なアルヴィンは、最初は渋っていたものの、レイアとエリーゼに圧倒されて、了承せざるを得なかった。
ジュードとミラは、互いに目を合わせ、行くよとローエンに告げた。


「パーティーと言いましても、畏まる必要はありませんから、気軽に来て下さいと、ドロッセル様が仰せですので、どんな格好されても構いませんよ」

「ローエンはサンタクロース、似合いそうだね」


ティポがローエンの髭を見ながら、そう呟いた。


「ほっほっほ。確かに」





「……ふむ、サンタクロース、か」

「……ミラ?」




何かを考えているミラを見ては、何故かジュードは、嫌な予感しか感じられなかった。










数日後、ミラはニ・アケリアへ帰っていた。隣にはジュードが一緒だった。ニ・アケリアに着くと、ミラが足を踏み入れたのは、イバルの家であった。


「お待ちしておりました、ミラ様…………って、なんでお前も一緒なんだ、偽物!!」

「いや、なんでって、言われても…………」

「私が頼んだんだ、イバル。それより、頼んでいたものはどうなってる?」

「うっ……あ、は、はい、勿論、ご用意させていただいてます!」



イバルはジュードの顔を見て、舌打ちをした後、タンスから、とある物を取り出した。



「こちらでございます」

「ほお、これが……」

「はい、本来ならば、もっと袖なども着いている物ですが、普段のミラ様の要望を取り入れまして、こちらで作らせていただきました!」

「……え、これって…………?」



ミラが手に取った服を見て、ジュードの表情は険しいものへと変わっていった。
サンタクロースの話を聞いていたミラが、あの時、考えていた事は、そういうことだったのかと思わざるを得なかった。
この短いスカート、大きく開いている胸元。確かにミラがこれを来たら、凄く似合う事はわかっているが、やはり露出の高いサンタクロースになってしまうのかと、ジュードは段々とムカムカしてきてならなかった。
もう少し、どうにかならなかったのかと、イバルに無言で訴え続けた。



「早速、着てみるよ」

「はい、直しが必要かもしれないですし」

「ありがとう、イバル」





ミラが着替えている間、イバルとジュードの間には、会話ひとつなかった。ただ、ミラに感謝された事もあり、イバルが誇らしげにしているのが表情に滲み出ていて、ジュードは息を吐いた。


「ミラ様、とても美しゅうございます」


外から人々の歓声が聞こえてきた。何かあったのかと二人は同時に立ち上がり、そして外へと飛び出していった。
ミラの周りには、たくさんの人が集まっていた。
サンタクロースの衣装を身に纏っている、ミラ。
ああ、もう、こんな胸が開けているミラのサンタクロース姿を、見せたくない、ジュードはそう思った。


「どうだ、それは俺が作ったんだぞ!!」


ミラの元へダッシュで駆け寄ったイバルが、そう言い続けている。
ジュードはその光景を眺めていた。

騒ぎも収まった後、三人は再びイバルの家へと戻った。徹夜で服を作っていたからだろうか、イバルの目がとろんとしてきている。起きようと頬を叩いたりしているが、また睡魔はイバルを襲っていた。


「すまないなイバル、もう眠って構わんぞ」

「いや、ですが、ミラ様とこいつを二人きりにするわけには」

「何を言っているんだ、あとはもう眠るだけだろう。私が大丈夫だと言っているんだから、信用しろ」

「……はい、では、お先に失礼させていただきます」


既に床に敷かれていた布団の一つに、イバルは横になり、すぐに眠りに着いた。
そうして、ミラはジュードの方を振り向いた。ニ・アケリアに来てから、ほとんど会話をしていなかった事に申し訳なく感じていたからだった。疎外感を感じさせては申し訳がないと、人混みに紛れていた時の話を、ジュードにしようと思っていた。



「ジュード」

「………何が、大丈夫なの?」

「……?何がって…………」



ジュードはミラの背後に回り、手で唇を押さえ込んだ。そしてミラのあらわになっている胸元へ手を伸ばしては、数本の指で何度も乳房をまさぐる。


「……っ……………」

「全然大丈夫じゃないよ、このサンタクロース。いつこういうことされても、おかしくないんだよ?わからないなら、この格好でどういうことをされるか、教えてあげなくちゃ」

「…っ、そこにイバルが……いつ起きるかわからないんだぞ、やめるんだ、ジュード」

「嫌だ」



手を離したジュードに、ミラは懇願したものの、ジュードは聞き入れてくれなどはしなかった。


「っ……あっ……」


口元から離された手は、ミラのスカートの中に入り込み、彼女の突起を刺激し始めた。
上下の突起を刺激され、ミラは唇を噛み締めて、懸命に声を出さないように我慢し、堪え続けた。彼女の体はぴくぴくと奮えている。
どこまでミラは堪えられるのかとジュードの指先は奥へと入り込む。


「ゃ………だ…め……」


声を堪えれば堪えるほど、叫びたくて堪らなくなった。イバルが起きないようにと、ミラはイバルの方を眺めては、祈る。
ジュードは和えて、服を脱がさなかった。情欲を誘うその格好では、いくらミラに力があろうとも、簡単に捕まる。男の力には敵わないのだとわからせる為。
そして今まで耐えていた思いが、ここになって爆発したのだ。

ジュードにとっては、イバルが起きようが起きまいが、どうでもよかった。寧ろスリルを感じていた。自分の指に必死に耐えるミラ。こんなんじゃ足りない。もっともっとわからせてあげる必要がある。
ミラをよいしょと持ち上げたジュードは、ミラを正面に向かせ、座らせる。ミラの潤んだ瞳が視界に映る。


「……すまな……ジュード……わかったから……もうそれ以上は……私が……」

「限界?」

「………っ」

「そうだよね、もう、こんなになっちゃってるもんね」



再びミラのスカートに手を忍ばせたジュードが、ミラの中にゆっくりと指を突っ込んだ。



「……ひ………っ………………」

「ミラはもう、限界だね、これ以上したら、声が我慢できなくなる」

「……耐える……さ」

「そう、頑張れる?」



そうしてミラは自ら、下着を下ろし、ジュードのズボンと下着の奥からそれを取り出しては、中に入れようと試みる。
その瞬間をジュードは見逃さず、気を抜いていた彼女は、しまったと思った。下からくる強烈な体の痺れと快楽。


「………あ………ぁっ…」

「……黙って見逃すわけ、ないでしょう?甘いね、主導権は僕にあること、忘れちゃダメだよ?」


「……あ……っ……あぁっ…………」




唇を何度も何度も噛んだ。叫びたい、声に出したい、ジュードを感じたい、でも叫んだら、イバルが起きてしまうかもしれない。苦しい、もどかしい。
ミラが自分の元へ倒れ込んでこないよう、ジュードはミラの腰を掴み続け、動かし続ける。
本当は声を出したいのに、頑張っているミラが、もっと見たい。これはもう更に突き上げる外ない。



「……ん……んんんっ…!!!!!」

「ミラが堪えてるから、今日はよく聞こえるね、ミラのとこから、くちゅっていう音。気持ちいいんだね」

「……………!」

「じゃあ、いくよ。ミラに我慢できるかな」




ミラを布団に押し倒したジュードが、最後の突き上げを開始する。
掛け布団を握り締めながらも、ミラは声を我慢することができず、とうとう漏れ出した。



「……ふ……あああっ、あっ……ぁ……ダメだ……ダメ………っ………!!!!」

「……ごめんね、ミラ」

「あ…っ………や………あぁっ、んっ………!!!」




ジュードは達した後、ミラの髪を撫でながら、彼女をぎゅっとした。



「……僕の気持ち、わかってくれた?いつこういうことされても、おかしくないんだよ、いつもいつも心配なんだ」



ぼんやりとした瞳でジュードを眺めつつ、ミラはジュードの頬に触れ、すまないと呟く。
そして二人は同時にイバルを見たが、気持ち良さそうな寝息が、彼から聞こえてくる。


「起きなかったようだな……よかった」

「じゃあ、もう一回、する……?」




ジュードの要求に、ミラは逆らう事はできなかった。
イバルの作られたあのサンタクロースを、ミラが再び着用することはなかった。










――――――――――
ジュミラ、サンタコス。露出の高い衣装なのに無防備なミラに対してジュードがお仕置きする話。(裏)(匿名様)
タイトル・Evergreen


遅くなりまして、申し訳ございません。
今回はリクエストありがとうございました!
拙い文ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。


2012.7.16




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