Commemoration | ナノ


※彼だけの事情(ジュミラ)







※観覧注意









近々に海に行く事になった為に、一行は水着を購入することになり、それぞれが水着を揃えた。
水着とはなんだと、ミラが言い出し、女性陣はミラに説明を施した。ふむふむ成る程と理解した上で、ミラは一目惚れした水着を手にして、試着する。


「うわあ、ミラ、すっごく似合ってますね!」

「本当ミラって、何を着ても似合うね、羨ましいなあ」


ミラの傍にいるレイアとエリーゼが、水着を試着している彼女を見ては、上から下まで互いに目線を動かしている。
水着を初めて試着したミラは、目をきょろきょろしつつ、凄く賞賛してくれている二人に、そうなのか、ありがとうと、微笑みながら答えた。

普段、自分が身につけている服と、対して変わらないとも思っていた。こちらの方が動きやすいのではないかと思うくらい。
とりあえず、この水着は決定とし、レイア、エリーゼと一緒に購入した。
せっかく買った物であるから、ジュードにも見てもらいたい。そして、普段自分が身につけている服装と、どちらがいいと思うかも聞いてしまおう。明らかに自分は、先程買った物の方が動きやすい。彼ならちゃんと真剣に答えてくれる。
ミラはそう考え、レイアやエリーゼと別れた後、真っ先にジュードの元へと向かって行った。

ジュードは机に座っていては、何かを一生懸命、書いているようだった。またいつものあれか、とミラは腕を組みながらジュードを眺める。きっと今彼は、自分が後ろに立っている事にも、きっと気づいちゃいないんだ。
あんなに思い切り、ドアを開けて、ジュード、と大きな声でも無反応とか、普通は有り得ない、気づいてくれるだろうに。

仕方がない、この隙に着替えてしまおうと、ミラはジュードがいる少し後ろに立ちながら、そのまま着替え始める。ブーツを脱ぎ、身につけている服もすべて床に落とし、買ってきた水着を袋からごそごそと取り出した。


(………あれ、ミラの声……してたよね、いけない、僕またやっちゃったか)


ペンをテーブルに置いたジュードは、両肩を回し、こりを解す。
またミラがむくれてしまうかもしれないから、とジュードは後ろを振り向く。



「ごめん、ミ……………」



ジュードは言葉を失った。
髪の毛で上手いこと隠れているものの、明らかに目の前にいるミラは、裸だった。
え、どうして、なんで?とジュードは困惑しつつ、すぐにまたぐるりと元の位置に戻り、テーブルに肘をつき、頭を抱えてしまう。
声をかけようにも、声をかけられず、裸でいるのならば、振り返ることもできない。


どうしよう、どうしよう、どうしよう、とジュードは今後の自分の身の振り方を考えた。落ち着け、静まれと念じても、すぐに先程のミラを思いだし、必死に掻き消そうと試みた。

そして耳に入り込む、ミラが何かをしている音。それがまたジュードの神経を伝え、彼を興奮させた。どうしてこういう時だけ、すべて聞こえてしまうんだろう。集中している時は、それに没頭してしまうのに、今は、ミラが何をしているのかが気になって、そちらに集中してしまう。

やがて、細い腕が、ジュードの腕に絡む。
ジュードはドキっとし、ミラの両手を見る。やはり、彼女は何も身につけていない。となれば、彼女はまだ裸でいるのだろうか。ぎゅっと両手を力強く握り締める。
我慢しなきゃ、抑えなきゃと。


「ミ……ラ、ど、どうした……の……?」

「ジュードに見てもらいたいものがあるんだ、振り向いて貰えないか?」

「え……っ、振り、向く……?」




ジュードから手を離したミラが、また一歩後ろへと下がる。
心臓が破壊される寸前にいるジュードは、もう、どうなっても知らないと、勢いづけて振り向いた。

だが、振り向いてはまた、ミラの姿を見て、彼はすぐに視線を反らす。
そうか、水着に着替えていたのかと。レイアやエリーゼと買い物に行くと言っていた事も思い出した。
しかし、どちらにせよ、視線のやり場には困る事に変わりはない。彼女の抜群なスタイルが浮き彫りになっては、本当に必要最低限な部分しか隠れていない。そして、彼女が選びそうな水着だ。



「どうだ?ジュード」

「どうだ?じゃ、ないよ、ミラ」

「?どういうことだ?」



限界を超えていたジュードは、この後の事も考え、ミラの姿を見てしまおうと開き直った。やっとジュードが自分のことを見てくれたと、ミラはとても嬉しがっている。
どうだ?とミラはジュードに問いかけた。普段着ている服とどっちがいいだろうかとも聞いた。しかし、ジュードが返答する事はなかった。
本当に、ここまで似合う人はいないだろう。ジュードの目線はミラの胸元や、お腹、そして美しい脚に向けられている。その事にミラは気づいていない。



「似合うよ、似合う……」

「そうか、よかった」

「似合うけどさ……」


ほんの一瞬だった。ジュードがミラの体に組み付いたのだ。


「な、ジュード……?」

「ミラって、僕のスイッチを入れるの、得意だよね」


いろんなハプニングがジュードを襲った。
もしあの時にミラが裸じゃなかったとしても、こうして、ミラがこんな露出度高めの水着を身に着けている姿を見ては、もう、見ないようにしていても、ついつい目が行ってしまう。
素肌にジュードが触れる度、ミラはうっと口から吐息を漏らした。
そしてジュードは再び、上からミラを見下ろした。綺麗だ。とても綺麗だ。
この水着を着て、海に行くというのか?そんなのジュードの気が休まるはずがない。


「ねえ、ミラ」


そう声に出したジュードが、ミラの水着の紐を解く。何をするんだというような目でミラはジュードを見たが、いつの間にか背中に手を回されていて、ミラはジュードにうつ伏せにされて、ベッドに寝かされた。


「脱がせるのも、あっという間だね」

「ジュード」

「ほら、大人しくしてて、ミラ」


下半身の水着も脱がせ、ミラは裸になるが、未だうつ伏せのままで、身動きが取れずにいる。
そんなミラの背中の上に、ジュードが覆い被さった。彼女の両手を上から握り締め、後頭部に顔を寄せる。まだジュードは、ミラの体全身を覆い被せるほど、体は成長していない。それが少し悔しいと思いつつも、それでも、彼女を思い通りにできるくらいの力はちゃんと備わっている。だからミラは動けない。しばらく彼女の体全身に触れた後、ジュードはミラの腰を上げて、背後から突き上げた。


「ぁ……あああっ、ジュードっ…」

「ミラのせいだからね、僕、み、見とれちゃったんだから」

背後からの突き上げは前からとはまったく違う。感覚も、内側の擦れ具合も、何もかもが。
ミラは背後から来る快感を枕で顔を埋めながら、声を押し殺した。


「似合ってる、でも、僕には拷問だよ、我慢できない」

「んんんんっ、やああぁっ!!!!」





ジュードが全身につけてしまったキスマークのせいで、ミラはあの水着を着ることができなくなってしまった。
そんなの気にしないとミラは言ったが、ジュードは僕が恥ずかしいから止めてくれと懇願した。












――――――――――
ジュミラでミラ様の水着のコスチュームに見とれてジュードが襲っちゃう…的な裏(紅葉様)
タイトル・Evergreen

こんばんは、お世話になってます♪
いつも見に来てくださって、本当にありがとうございます!
ツイッターでもお話できてとても嬉しいです。
私もまだまだ修行足らずなので、これからも自分なりに精進していこうと思います。
拙い作品ではございますが、よろしければ受け取ってください。

リクエストありがとうございました!


2012.2.5



top

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -