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 EDEN





君といれば、どこでも楽園だった。





シングルベッドに二人で眠るのは、やはり狭い。

狭い分、密着度は高くなる。

お互いに落ちないように、気をつけなくてはならないから。


アルヴィンの身体が大きい分、レイアの身体が、とても小さく見えた。

元々彼女は、小柄で細い体をしていた。
母親に鍛えられてきた分、腕や腰の筋肉がまた、いい形を作っている。

そのような身体を持っていても、大の男のアルヴィンの力には敵わない。
彼女ひとりを思い通りにするのなんて、簡単だった。

ちょっと力を入れてしまえば、彼女の動きすら、あっという間に止められる。


正面から抱きしめるのも好きだが、レイアを背後から抱きしめるのが、アルヴィンは好きだった。

自分の顔を見られなくてすむからだ。

レイアがどんな表情をしているのか、勿論見たいと思う時もあるが、自分が幸せだと思う顔を、見られたくない。



ごろんとレイアが寝返りを打ち、正面を向き合った。

その時、彼女は重い瞼を開けた。


レイアの顔をガン見していたアルヴィンは、視線の行き場をなくしてしまう。



「顔、見れた」



レイアがもそもそと動き、アルヴィンと鼻をこすり合わせる。

心臓の鼓動が早まった。このままでは、また、手を出してしまいそうだ。


昨晩、あんなに、体を重ね合わせたというのに。




「何すんだよ」

「イチャイチャしたら、ダメかな」



なんてずるい女だ。
そう言われて、断れるはずがないだろう。



「おたくは、俺の調子を崩すのが得意らしいな」



アルヴィンは起き上がり、体の向きを変えて、レイアの額に唇を落とした。

その隙を、レイアは見逃さなかった。



「優しい表情だね」




頬を隠せない程の小さな手で、アルヴィンの頬を撫でる。

一度綻んだ顔は、簡単には戻らなかった。









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