◎ ※ベイビー・フェイス
※観覧注意
ずっと一緒にいるよりも、今の一瞬を手放したくなかった。
肌に触れる、ひとつひとつが、丁寧で、とても優しかった。
ジュードがいつも、肌に触れる時は、ジュードの性格を匂わせるものであった。
『僕の初めては、全部、君なんだよ』
そんなことを言っていたが、果たしてそれは本当なのか、と疑うこともあった。
そんなことを言ったら、その時だけは、優しさもなく、自身に刻み込めるような抱き方をされた。
荒々しく、限界を超えたとしても、ジュードが許してくれなかった。
『ミラが、そんなこと言うから』
この時ばかりは、よくわかりました、ごめんなさい、と心の中で何度も彼に謝罪をした。
まさか意識が飛ぶとは、思わなかった。
あの時の抱き方も、今の抱き方も、ジュードはジュードだった。
飽きさせないようにしているのもわかる、それがまたジュードらしい。
別に気にすることないのに、と思う。
(私がそういうのを気にしないって、わかっているだろうに)
けれど、こういう時に実感してしまうのも情けないが、彼のすべてが、本当に愛おしい。
ひとつになった後も、もっともっと、ひとつになりたいと思う。
骨の髄まで、重なり合いたい。
「ミラ……」
ミラの願いが伝わったのか、ジュードが繋がったまま、ミラの上に覆い被さり、浅く深くを繰り返したキスをした。
ミラはジュードの頭に両手を絡めて、骨の髄までの快楽を味わった。
「その顔、もっと見せて。それ、すごく好き」
ジュードの言葉にミラは、
「私は君の、余裕をなくした顔が、もっと見たい」
と返し、交わっているこの瞬間を、更に引き延ばそうと、自ら腰を動かして見せた。
構えていなかった為、下半身に襲ってくる刺激にジュードが目を細めた。
油断ならない、この人には。
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