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 幸せな今をありがとう




ある日。

とてもぽかぽかした草原の上で、ひなたぼっこをしていたアルヴィンとレイア。


レイアが思い切り走るから、らしくもないことに付き合って、走り回って、草の上に寝そべった。

こんな時は滅多にないから。


「うー、気持ちいいね、アルヴィン君」

「・・・そうだな。本当、こんなのいつぶりだか・・・」


こんなことをしたのは、本当にいつぶりだろう。
遠すぎて、思い出すことができない。

故郷の記憶がだんだん薄れてきているのだろうか。
それとも、思い出したくないから?



(・・・・・・・・・)


お互い黙り込んでいたのだが、ここでいつもなら話し出すはずのレイアの声が、聞こえない。




「…レイア?」



アルヴィンは起き上がって、レイアの顔を覗きこんだ。




「ZZZ…」


いつのまにか眠ってしまっていたレイア。
アルヴィンはそんな彼女をじっと見つめていた。



とても気持ちよさそうに眠るレイア。

いつも旅先で何度も見てきた。

一度寝るとなかなか目覚めない彼女。


だけど、レイアの寝顔を見ていると、とても心地よい気持ちになるアルヴィン。




「…いつもどんな夢みてんだか。」



つぶやき、彼女の頬に触れる。




「俺も・・・同じことされたんかね?」




その仕草をしてそう思ってしまったアルヴィン。


そして自分も、彼女の隣で眠る。


できれば、これからもずっと一緒に…
そんなことを頭の片隅で考えながら。








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