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 Taste of a sweet peach



「レイア……それ、舐めてもいい?」
「な、アルヴィン何言ってるの?!」
「悪いが……もう遅い…………」
「っ、………んっ」

ぺろっとアルヴィンはレイアの指先を舐めた。
レイアの手の平についている甘いクリーム……桃のケーキの桃の味。桃は彼の好物でもある。そしてレイアはアルヴィンのもっとも大好きなものでもある。


「っ………あ……ぺろぺろ……舐め過ぎだよぉ!!」
「おっと……仕方ない、この桃も……レイアも俺の好物なんだから」


レイアの指先についていた桃のクリームは、完全になくなっていた。アルヴィンの舐めかたがとてもいやらしく、神経がぴりぴりするくらいに、レイアは感じてしまっていた。
自分だけなのがレイアにはとても悔しく感じ、アルヴィンの指をぐいっと引っ張り、桃のケーキに突き刺した。その後引き抜き、彼の指を口に含んでぺろりと舐め始めた。


「レイア……」


ぴくりとアルヴィンは反応する。レイアの舌が微妙に絡んでくる。顔が赤くなっていった。



「……っ…………」



やられた。指先だけでこんなにも感じてしまうものなんだ。一生懸命なレイアの姿を見ながら、アルヴィンは彼女を可愛いと思う。
ちゅっ、ちゅ。
アルヴィンは目をつぶる。



「……ぁ………はぁ……、つっ………」



息が口から漏れてしまった。レイアの口の中に広がる桃の味。アルヴィンの大好きな味。丹念に行うからこそ、アルヴィンは過敏に反応してしまうのだ。




「アルヴィンの……味がする………」
「な…………っ……」
「……好きだもんね……この味………」




レイアの発言にアルヴィンはますます顔を赤くさせた。そうくるのなら、自分はこういう方法で行くしかない。
最初は自分の方から攻めていったのだから。



「……なら、味わう?」
「何を………?」
「……俺を」



桃のクリームを舐め、アルヴィンはレイアにキスをした。濃厚な味が口の中に広がる。甘い甘い味。



「・・・そういうこと言わないでよ」
「・・・・・・いいのか?それなら俺がこれからおたくを味わうけど」
「それは・・・言ったりする言葉じゃないでしょ!!!」



アルヴィンは笑った。頬を膨らますレイア。しばらく見つめあった後、自然に唇を重ねて、倒れこんでいく。
大好きな桃は彼を満たす。そして愛しい女の子がもっと、自分を満たしてくれるのだ。やわらかな温かいベッドの中で。













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