ごまかせない熱
ふと気付けば、ジュードの隣にはミラがいた。
あの時の、初めての我が儘を、ジュードはまだ貫き通している。
ミラと一緒にいたいという、我が儘を。
事の成り行きを言わなければ、誰も自分の我が儘だとは思わないし、気づくはずもなかった。きっとレイアに話してしまったら、かなり驚かれてしまうだろう。アルヴィンに気づかれたら、バカにされてしまうんだろう。ジュード君はお子様なんだな、と。
それは想像しただけで、合わせる顔が見つからないと思い、ジュードは表情の裏に上手く隠していた。
だが、ふと気付けば、一緒にいる事の許可を、ミラから得ていなかった。一度勇気を振り絞ってはみたものの、あの時は状況が状況だったから、ミラはニ・アケリアへ来いと言ってくれたのかもしれない。
だから今は勝手に、自分がミラの傍にいるだけだ。
「いつもすまないな、ジュード」
「どうしたの急に」
「私の傍にいつもいてくれて」
「嫌だな、やめてよ、お願いだから、謝らないで」
謝られることか酷く辛い。自分が好きでミラの傍にいるわけであるから、本来なら謝らなければならないのは、自分の方だ。勝手に傍にいて、ごめんなさい、と。言わなければならないのに、言えなかった。ミラにまた、同情で返されるのがジュードは嫌だった。
「謝るさ。だって、私が君を、私の傍から離れないようにしているのだから」
ミラに両肩を捕まれたジュードが、不意を付き、ジュードの唇を奪った。すぐに離された唇や、状況についていけずに、ジュードは固まってしまった。
「これでまた君は、私から離れられなくなったな」
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タイトル・反転コンタクト
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