ジュード×ミラ | ナノ


仔猫たちの蜜月










手を繋ぐという行為は、ジュードとミラにとっては、特別なものであった。

二人はよく手を重ね合い、絡ませ、それは互いが、相手はここに確かにいるんだよと、確認し合うかのように、甘いものであった。

例えその手が解けたとしても、手はちゃんと覚えている。互いの温もりを。

ジュードが体に触れてくるのにも、敏感に反応した。体全身がジュードを覚えている。ジュードの手を、指を。

今のジュードは、背後から手を回して、ミラの腹部を撫でながら摩っている。それが妙にくすぐったく、ミラは何をしているんだと、少し困ったように言った。

ミラの格好が悪いとジュードは言い返す。
抱きしめたら、行き着いた手の平は、必ず素肌が見えている腹部へと置かれてしまう。直に触れる柔らかい肌に誘われるのだから、仕方がないんだと。

そしてジュードは、顎をミラの肩に乗せた。ミラは背後のジュードに寄り掛かり、体を彼へと預ける。
ジュードの足は既に延ばされていた。
ミラも足を延ばし、ジュードのふくらはぎを、裸足で摩り、絡み始める。
足の指の動きが器用すぎて、ジュードは驚いた。

ズボンの裾を指で挟み、ずりずりと少しずつ持ち上げ、見えた素肌を撫でている。


「何してるの」


ジュードがミラの首筋に舌を這わせ、軽く唇で挟みでながら、問い掛ける。


「触りたくて」


ミラの足はジュードの足へと移動し、足先へ絡み始めた。
ミラの足の親指と人差し指が、ジュードの足の親指を捕らえた。挟み、しばらく弄った後に、なぞるように、ジュードの足を撫でている。


「器用だね」

「足先だけはな、どうも器用らしい」


ジュードが手でミラの体に触れる代わりに、ミラが足で、ジュードの足を触れ続ける。
上半身はジュードに拘束されている。自由なのは、膝から下だけである。
せめて自分も動きたい。足ならどうにかして、自ら動かすことができるからと、思いついたもの。

そんなミラの思いつきにも、ジュードは愛おしく感じる。そんなに自分と絡んでいたいのかと思えた。手を繋ぎ、指を絡ませ合うだけでも足りないというのか。


「いいじゃないか、君と触れ合うのが、私は好きなんだ」


ミラがジュードの方に頬を近づけては、すりすりと、猫のように擦り合わせてくる。




「これじゃ、埒が明かないね」




普段、大人なミラが、子供のように自分に甘えてくる。本当に自分の事を好いていてくれているというのが、全身に伝わってきた。ミラだけでなく自分もそうだ。体が縺れ合い、解けなくなるほどになってしまいたい。




「たくさん、構ってあげるよ、ミラが飽きるくらい」

「なら、永久に終わることはないな」





ミラの足の動きが停止する。
それはすなわち、ミラのすべてがジュードに拘束されたということを意味していた。











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タイトル・Evergreen


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