ジュード×ミラ | ナノ


※manquer



※要素は少ないですが、念のため観覧注意















こんな時、自分が恨めしいと思った。



器も体も、もう少し大きくなれれば、とジュードはいつも思っていた。
彼女を前にしては、早く大人になりたいと思い、ジュードを焦らせた。



「…ミラ、起きたの?」



ジュードが目を開けると、隣で眠っていた彼女は、上半身を起こして、服を着ようとしていた。
彼女の細くて美しい背中に、ジュードは見とれていた。
この人は、自分の心を、何度持っていけば気が済むんだろう。

自分の心はもう、カケラも残っていないのかもしれない。



「すまない、起こしたか」



ミラがジュードの方を振り向いて、横になっているジュードの髪を優しく撫でて微笑む。

ああ、まただ。
ジュードは唇を噛み締める。

自分の髪に触れているミラの手を引き寄せて、ミラを再びベッドの中へと寝かせた。



「こら、ジュード」



ミラが困ったように笑う。



「ミラ」

「なんだ?」

「ミラ」


ジュードはミラに覆い被さり、彼女の名前を連呼する。
ジュードは彼女の名前を呼び続けた。
それはジュードがミラを求めている証だった。

ミラは表情をあまり変えないから、どう感じ取っているかはわからなかったけれど。



「ミラ」



そしてジュードは、ミラに口づける。
そっと離しては、また口づけた。それを繰り返した。
やがてミラがジュードの首に手を回した。

その時、ジュードと目を合わせた。



「まったく、唇が腫れてしまうぞ」

「ごめん」

「まあ…私が言った所で、君が止めないというのは、わかってるつもりだがな」



ちゅっ、とミラは口づけをジュードに返した。



「本当、君には敵わない」

「当たり前だ。私はマクス――――」


その後の言葉はジュードによって閉ざされた。


「でも、こういうのは、僕の方が上だよ、ミラ」

「違いない」




お互いに目を見合わせ、笑いあう。
いつしか笑い声はなくなり、ミラの呻き声が多くなっていった。



「ミラ」

「っ……ジュード……」

「なに?」

「もっと私と、くっつかないか………?」


ミラはジュードにしがみつく。


「ミラ、これ以上、僕を煽るの、やめてよ。優しくできなくなっちゃうよ」


ジュードは成す術が見つからないまま、自分の心を持っていってしまった彼女の要求に応えた。









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