be too important(ハルショ)

「どうしたの?ショーコ」

指南ショーコは、学校から帰宅途中の喫茶店から、時縞ハルトに1本の電話をかけた。さすがハルト。メールのレスポンスも早いだけに、電話も早いとショーコはくすっと微笑んだ。

「今、大丈夫?ひとり?」
「うん。今は大丈夫だけど」
「そっか、なら、よかった」

ハルトの声を聞いただけで、安堵したショーコだった。別に学校でもいつも顔を合わせているというのに、いつでも話せるのに、用事もなく電話をしてしまうなんて、どうかしてる。

「ショーコ?」
「あ、ごめんね、なんでもないの」

さて困った、どうしよう。用もないのに電話しちゃいました、なんて言えない。言っても問題がないことぐらい想像ついてはいるが、何故か躊躇う。
幼なじみって、こんな気持ちになるのかな。ちょっとでも、距離を感じただけで、淋しくて、嫌で、こんなすがってしまうようなことを、してしまうのかな。
ハルトがヴァルヴレイヴの同乗者となってからは、こんな気持ちがあることを、誰にも言わずにいたのだが。

「ショーコは、何してたの?」
「え、えっと。喫茶店にいるよ。美味しいスイーツを食べに」
「一人でいるのか、珍しいな」
「私だって、一人の時くらいあるよ」

やっぱりな。ハルトはどうしてこんなに優しいんだろう。ショーコは思った。自分が用もなく電話してきたことに彼は気づいている。だから、ハルトの方から、話を振ってきてくれたのだと。
電話だと顔を見られずに喋れるから、そういう利点もあるからいいのだけど、声を聞いたら会いたくなるんだよなって、ハルトの声を聞きながら、ショーコは笑った。
そういえば、ゆっくり話をしたのも、久しぶりなような気がした。

「なんかすっごい話し込んじゃった」
「昔からそうだろ、話し出したら止まらない」
「また、そうやってバカにして・・・」

ショーコはムッとしたものの、その顔はすぐに元通りになった。
確かに猪突猛進なところがあるのは認める。きっとその事も一番わかってくれているのは、ハルトだ。わかってくれるからと、甘えてしまっていることも。

「ほら、そろそろ帰れよ、暗くなる」
「ハルト。その、ありがと」
「ははっ、なんだよ。ショーコの事なら、一番よくわかってるつもりだよ」
「じゃあ、帰るまで、もう少し喋ってても、大丈夫?」
「いいよ」


滅多にこんなことしたりしない。
でも、何故か、二度とこういう機会はないのかもしれない。そう思ったから、たくさんハルトと話を交えた。
ハルトの声を、ずっとずっと聞いていたかった。






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