TOX2 | ナノ

心満たされるから好き(ジュミラ)







落ち着こうとしても。
そうすることが、無理だったりするんです。




「ん………………」



すやすやと寝息をたてているミラ。


(……僕が…もたないよ………)


そんなミラをよそに、ジュードは身動きがとれない状況に陥っていた。
ジュードがミラをじっと見ている時に、寝呆けたミラが、ジュードの腕を引っ張り、抱きついたのだ。
ぎゅっと、甘えるように抱きつくミラに、ジュードはどうすることもできずにいる。
ベッドの上。寝そべるミラ。
その上に覆いかぶさってる、ジュード。


ふんわりと、いい香りがする。彼女の、匂い。

包まれているような感じがして、こうしていたいと思う自分もいたし、ぐらつく理性に耐えられるかわからない自分もいる。

純粋な彼女が、こういう時、恨めしかったりする。
腕も動かせなくて、何もできないのは事実。
我慢するしかない。実際は耐えるのも辛かったり。



「ジ………ュ…ド……」



目が覚めたのか?と思ったのだが、ただの寝言だというのが、寝息からわかった。


「僕の夢………見てるの………?」



どんな夢なんだろう?
僕の名前を呼ぶなんて。
こんなにも、ドキドキや安らぎをくれるのは彼女しかいないんだ。
そう、実感した。


「ふ………わあぁ〜………」




翌朝。
目を覚ますミラ。



「ん…………?!」



自身の体のこの重み。
顔を横に向けると、ジュードの顔がすぐ近くにあった。




「っ………!!!」



ミラの動きに反応したジュードが、ゆっくりと目を起こす。
上にあるジュードの重みに、ミラは動くことが出来ない。


「ジュード……驚いた……君がまさか上にいるとは」

「やっぱり覚えてないんだね。ミラが先にしてきたんだよ」

「……そうなのか…?」

「そうだよ」




ジュードの首もとに回していた腕を見て、ミラは確かにそうだと頷いて、ぱっと腕を離す。


「やっぱり、悪くないな。君の重みは」

「無意識だとしても、僕は嬉しかったよ。で、どんな夢見てたの?僕の名前を呼んでたね」



その言葉に頷いたミラは、なんだかとても幸せそうな顔をしていた。
そんなミラを見て、ジュードはますます、彼女がどんな夢を見ていたのか、知りたくなった。




「教えて?」

「さて、どうしたものかな」

「教えてくれるまで、僕ここから動かないよ?そんなミラ見たら、気になって仕方がなくなっちゃったから………」



ミラの顔の横に、顔を近付けて、そのままジュードは動かなくなった。
彼の呼吸が間近に聞こえてきて、それにまた安堵する。
だってまさか、夢が現実になってるなんて。
目が覚めたとき、まだ夢の中にいるんだと思ってた。でも、この温かさは現実だった。


「ジュード」

「うん」

「君が今みたいに、私の隣にいる夢を見たんだ」


私の名前を呼んで、私の傍にいてくれて。
それが、とてもとても嬉しくて。
私は、ジュードに抱きついていたんだ。
夢の内容を言ったら、ジュードは更に体に体重をかけて、私の上に乗っかった。


「ジュード……」

「知ってる?ミラ。夢は自分がしてほしいこと、考えてることを見るんだよ」

「……………?」

「だから、してあげる」



ジュードの重みが嬉しかったのか、ミラは何も言わずに、そのままジュードに身を任せたのだった。








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タイトル・反転コンタクト

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