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木漏れ日(ジュミラ)





太陽の匂いがする。
ああ、そうだ。昼間、とてもいい天気だったから、外に布団干したんだっけ。
ふかふかのベッドに飛び込み、布団の柔らかさに包まれながらジュードは、すうっと眠りに落ちてしまいそうになった。
お風呂もリラックスできて好きだが、布団はやはり別格だ。1日の4分の1をここで過ごすだけはある。

しばらくジュードが固まった。瞬きもせずに、どうやら眠りにつく直前だったのだろう。彼の背中に少しばかり重力がかかった。
その重みで少し目を開けると、金色の長い髪がジュードの視界に入り込む。そしてこの肩付近に感じられる胸の膨らみ。ジュードの顔は紅潮する。

「ミ、ミラ」
「まて動くなジュード。しばらく、このままで」

そうだ。ミラだ。
ミラはジュードの背面にぴったりとくっつき、ジュードの手に触れては指を絡ませた。たまにだが、ミラはこうしてジュードにコミュニケーションをとりにくる。正面からだと、ジュードがあまり顔を見せてくれない。直視できないという。ならば背後からなら大丈夫だろうと思ったまでの事。

それでも、あまり変わりはない。ミラが密着している、というのに問題がある。とはジュードはミラに伝えることができず。
この背後から伝わる暖かい熱が、どれほどの威力を込めているのか。

「今日も一日お疲れ様だ、ジュード」
「うん、ミラもお疲れ様」

その彼女の重みを充分に感じた後、ジュードは身体を動かして、少し横にずれ、ミラは布団へと転がり落ちる。そこで初めて、目が合うのだ。
目が合えば、お互いに微笑んで腕を伸ばし、手を合わせ、指を絡ませ、そしておでこをくっつける。

「今日の布団はふかふかだな」
「うん、天気も良かったし、外に干したんだ」
「そうか。それに加えて、君の匂いがする。これはそう簡単に抜け出せるものではないな」

ふふっ、とミラが笑うと、隙をついたジュードが、唇を重ねてきた。離された後、ミラはジュードの頬に触れ、そして頭を撫でる。同じようにジュードもミラの頬を撫でた後に頭を撫でた。

「抜け出せないというか、抜けるつもりはない、でしょう?」
「ああ、違いない。ここから抜け出したら、君と触れあうことができないからな」
「そうだよ。おいで、ミラ。触らせて」


正面から重なり合う肌も何よりも熱いこと、それはお互いにわかっている。



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