The warmth that dried out(ジュード)
睡眠時間は、長くなるどころか、短くなっていた。
あの頃は、夜に眠るのが怖くて堪らなかったが、今はそうではなく、単純に、自分のやるべきことをしているからだと思っていた。目を閉じることも、今はもう怖くない。
最初は目を閉じて、次に目を開ければ、また笑って、彼女が、ジュードと言いながら微笑んで、自分の隣にいてくれることを、望んだこともあった。
だが何故か、彼女も、自分と同じように感じてくれているんじゃないかという錯覚も覚えていた。
『私はいつも、いつまでも、君と共に在ろう』
そう、彼女の声が聞こえた気がする。
会いたい。会いたい。しばらくは引きずってしまうのか、そうも思っていたのだが、以外にそんなことはなかった。
やるべき事があったから、というのもあるが、彼女がここにいたという証は、ジュードの胸元に今もしっかりと残っているからだ。
ベッドに横になった時も、ペンダントがベッドに横になる度に、彼女を傍に感じる事ができた。
「ミラ」
名を呼んでは、ジュードはくすっと微笑んで。
「おやすみ」
例えそこにいなくとも、温もりも、空気も、感じることができなくても。
彼女のいない世界を、ジュードは生きていく。
目を閉じ、いつか彼女のいる世界を現実にする、その日を夢を見て。
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