TOX2(フライング) | ナノ

誰も知らない幸せをあげる(ジュミラ)








尊敬している人物が、ずっと隣にいるのは、どうにも緊張してしまう。

月日がたてば、どうにかなるだろうと思っていたし、慣れてくれれば、この緊張もなくなって、彼女にまで、緊張していることが伝わってしまったら、どうしようと、そわそわして仕方がなかった。


「私はどうも、君の前では気が抜けてしまうな」



彼、ジュードと共にいると、安心しきってなのか、君に甘えたくなると、ミラは言う。
それはまるで、子供が甘えるかのように。
無論、自分は、過去も未来も変わることはなく、私は私だと、そう宣言することはできるだろう。

だが、ジュードの前だけは、違う自分が生まれている事も気づいていた。

彼は、自分がなんであろうと、どうであろうと、すべて受け止めてくれると、そう確信しているからだ。
ずっとそうするわけではない、だが、甘えられる相手がいるということは、こんなにも心地好いものなのかと、ジュードに寄り添う度に、自身に刻み込ませていた。



「僕は、緊張してるのに」

「何故だ?私といて、緊張する理由など、ないだろう」

「あるんだよ……色々と」





君がどうであろうと、君を離したりなどしない。
ただ、こうして、彼女が自分に、ずっと気を許す存在でいてくれるのか、それは定かではない。

でも、それでも、いい。






(僕はもっと、大人になれる)






君のおかげで、胸を張って、僕はそう言えるだろう。















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タイトル・反転コンタクト

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