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束の間の夢






それは、とある夕方の出来事。

アルヴィンとレイアは、ル・ロンドでのレイアの家の小屋に閉じ込められてしまっていた。

原因は、外のつっかえ棒が入口を塞いでしまったせいだと思われる。



「ちょっとアルヴィン君!狭いじゃない!もっとそっちにいってよ!」

「うるせえな〜…仕方ないだろ。ま、俺はこのままの方がいいんだけど」


その物置は、物がたくさんしまい込まれている為、本当に狭い。そこに大人の人間が、一人ならまだしも、二人が入ってしまっては、密着してしまうのは仕方がないことだった。

このままでよかった。レイアを無条件で捕まえておく事ができる。傍に置いておける。
だからアルヴィンは、そのまま更にレイアに密着し、後ろからぎゅっと抱きしめた。



「?!こんな時に何やってるの!離し………」

「やなこった。こんなチャンス滅多にないわけだし」



レイアの両手を撫でながら、耳元でアルヴィンは囁いた。
その触り方が、またなんか厭らしい。握るのではなくて、触れ続けてくるから。終わらない触れ合いに、レイアは完璧に身動きができなくなり、顔を真っ赤にしながらも耐えていた。



「……でもアルヴィン。キスは…ダメだよ」

「なんで?誰もいないじゃねえか」


アルヴィンの方を向いたら、キスをされてしまいそうな気がして、レイアはずっと下を向いていた。
キスまでしてしまったら、どうなってしまうのかがわからない。見つかるのも怖いと思ったのだが、一番気掛かりなのは、そっちなんだって、どうかしている。


「だって……見つかったらどうするの?今だって、ジュード達が探してくれてるかもしれないじゃない」

「だから大丈夫だって。見つからねーよ。それとも…本当に誰も来ない時の方がお好み?」

「……っ!卑怯だよ!アルヴィン」


今は完全に、アルヴィンの方が力は上だから抵抗できず、徐々に近づいてくるアルヴィンの顔に、レイアはようやく振り向いた。


「そう。それでいい」


逃がさないよと言わんばかりに、遠慮なくレイアへ口づけるアルヴィン。 しまった、唇が触れ合ってしまった。彼のキスは本当に蕩けそうなくらいに甘い、そして上手い。

だから、嫌だったのに。



「んっ……ん………」


アルヴィンの手により、何回も何回も口づけが交わされた。
我慢しているのは、自分の方だった。アルヴィンは知らないのかもしれないが、愛の言葉を囁きあったり、愛情を確認し合う行為をしたり、どうしようもないくらいに、気持ちがいってしまっているのだ。


「……ダメじゃん、あたし。結局また、アルヴィン君のペースにのまれちゃった」

「ま〜いいじゃねえか。ということで、続きはまた後でな」

「だから勝手に決めないでよ〜!もう………」



レイアの体は熱を帯び、アルヴィンへと伝染していく。体の熱さで、アルヴィンには、レイアが何をしてほしいか、求めているかを知っていたが、そこは後にとっておこうと思い、アルヴィンはレイアの肌に触りつづける。



そんな夕方のヒトコマ。

結局二人がでられたのは、それから1時間後。


その間、何があったかは、二人だけの秘密である。











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