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つまりそれは君のせい





誰か、泣いてくれるのか?
俺が死んだら、誰か、泣いてくれるのかな。
周りは皆、俺のことが嫌い。きっとそう。間違いない。俺は、わからないんだ。
いろんな人を苦しめ続けた、俺は、どうしてここにいるんだろうって。


なあ。言えよ。

うざいって。消えろって。大嫌いだって。

言いたそうにしてるじゃないか。
無理して、俺と話す必要なんかないんだ。
そう思ってしまうんだ。考えたくなんかない。何も、考えたくないのに。


「アルヴィン君…一つ言うよ。嫌いなら、一緒にいたりなんかしないよ?みんなは、アルヴィンが好きだから一緒にいるんだよ」

「好き…だから?」


今の俺にとっては、耳を塞いでしまいたくなるような言葉だった。
そんな優しい言葉をかけんなよ。

レイア。

優しい言葉は、甘えるために、あるようなものじゃないか。
すがってしまえば、俺はまた、迷惑をかけるだけの奴になる。

どんな風に見える?
おたくら、どんな風に俺を見てる?

好きなはずなんか、ない。

だって、俺が、そう考えるばかりに、おたくらを嫌いになりかけているから。
そんなレイアの言葉は、聞きたくなかったんだ。


「アルヴィン君が誰も信じなきゃ、みんなだって信じてくれない。信じなよ、アルヴィン君」

「嫌だよ…」

「アルヴィン君」

「わかんないんだよ!俺はどうして、こう考えちゃうのか……。おたくらの顔を見るのが…怖いんだよ…」



俺が、拒絶してしまっている。 嫌われるのが恐いから、自然に、みんなと関わることが…恐いと思い始めている。拒絶している。

俺は、おたくらに酷いことをしたんだぞ?
プレザを守れなかった。
ジュード、ミラを殺そうとした。
レイアを半ば殺しかけた。なのにおたくは、俺の事が好きだと言う。

そんな中で、知らないうちに精神的にぼろぼろになっていた。
でも、これは仕方がないんだ。俺が今までどんな思いをして生きてきたか、おたくらにわかるわけがないだろう。
そんな悲劇のヒロインぶってる自分が、憎くてしょうがない。


「レイア…おたくはどうして、俺に関わっていられるんだよ?!知ってるだろ?俺が何をしたのか!!」


口が止まらない。
言いたくない、こんなこと言いたくない。


「それでも、そうやって…優しくして、本当…やめろよ…!!おたくらも…レイアも……」



俺は嫌いだ。大嫌いだ。


「そうだね……嫌いだよ、アルヴィン君」



彼女は、ぽつりと言った。俺はそれを聞いた瞬間、胸が苦しくなって、泣きそうになっていた。
望んでいたことじゃないか。そう思われることを。それなのに、実際に言われると辛いんだ。

やっぱり、そうだったんだ………って。



「ほ……らな……やっぱり……そうなんだろ……」


情けないことに声が震えていた。
涙を流さないように、やっと話してる。崩れかけているというのが、よくわかった。



「アルヴィン君、わたしの事、大嫌いだ…って、思ったでしょ?」

「………!!」

「そう考えるアルヴィン君が嫌い。大切な人が苦しんでたら、助けてあげるのが、当然でしょ?アルヴィン君は違うの?」


ああ、そうか。そうなんだ。
俺は、助けてほしかったんだ。
そんなこと言って、ごまかして、おまけにレイアにまで、縋って。
助けてほしくて。気付いてほしくて。



「……っと……参ったな……なんで……おたくには…見抜かれちゃうのかね?」

「決まってるじゃん、そんなの」

「なん……で……?」



俯いている俺の頬を掴んで、俺はレイアに唇を奪われた。



「………っ…!」

「アルヴィン君のことなら、ずっと見てるからね。あなたの事なら、なんでも知ってるよ?アルヴィン君」

「……ずるいな、レイア……」


彼女の言葉は魔法みたいで、俺の不安を消し飛ばしていく。
小さなSOSにも、君は気付いてくれたんだ。



「じゃあ、償ってもらうからね?アルヴィン君」

「はっ……ちょっ…」

「わたしを、いっぱい愛して下さいな。アルヴィン君には大変な課題だよ?」



そんな天使のような微笑みに、俺は完璧に打ちのめされる。

本当、おたくのせいだよ、レイア。









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タイトル・間接の離れた世界


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