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純粋無垢






『よろしくね、アルヴィン君』


その少女との初対面でのやりとり。
明らかに自分より年下であろう女の子に、君づけで呼ばれて、正直アルヴィンは戸惑いを隠せなかった。

聞けば彼女は、ジュードの幼なじみらしい。

ただでさえアルヴィンは、ジュードの事が苦手だった。まさかジュードの幼なじみが旅に同行するなんて、誰が予想しただろう。
苦手な奴の知り合いは、また苦手な奴。アルヴィンの頭の中では、そういう計算式が出来上がっていた。

(……はあ、参ったね)

思わず、彼の口からは、ため息がこぼれ落ちる。



「……どしたの?アルヴィン君」


ぼーっとしていたアルヴィンは、ひょこっと顔を出していたレイアに気づかず、気づいたときには、彼女の顔が目の前にあって、驚愕した。

「なっ……?!!」


そして思わず彼は、大きな声を出してしまう。
レイアは、まさか、こんなに驚かれたり、大きい声を出されるとは、まったくもって思っていなかった。


「ちょっ、何よ、大きな声出してー!びっくりするじゃない!!」

「そ、そりゃあ、そんな近くにいたら、びっくりするだろうが!」


いつもは取り乱さない彼を見てしまい、レイアはきょとんとする。いつもは準備しているんだろうなと、この時ばかりは考えた。しかし、すぐに。


「……ふふっ、あははは」


彼女は声を出して笑い出した。
レイアには、彼がなんだか子供に見えてしまい、いつもの調子はどうしたんだよって、言いたくてたまらなかった。
アルヴィンはムスッとし、口を覆い隠し、何も言わずに黙っている。


(くそっ、俺としたことが……こんなことで取り乱すなんて、情けねー………)



そして笑顔を絶やさない彼女を、アルヴィンはただ、見続けていた。








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