坊主だった赤髪もいつのまにやら伸び、しかし昔みたいなリーゼントではない赤髪を少し上から見つめ、声をかけた。

「なぁ桜木…」

桜木はベッドの縁に座る俺を振り返り、訝しげに眉をひそめた。

「何……言っとくけど嫌だから」

そう言うとベッドに凭れながら再び雑誌に目を通し始めた。
本当につれない奴だ。


「何でだよ…つれねえなあ…先輩が寒いって言ってるのによぉ…」
後ろから赤髪に指を絡めながら愚痴をたれる。
すると桜木は耳を少し赤くしながら叫んだ。

「だからってなんで膝に乗れとか…絶対変なこと考えてるからやだ」

先程ベッドの上に上がってこいと言うと断られたので、次に膝に乗れと言ってみたのだが…

「つれねえよな…ったく…」

俺はブツブツ言いながらヒーターの温度を上げ、後ろから桜木をジトリと見つめる。

「…寒いって…冬なんだからあったりまえだろ」

「だから温め合おうつって……悪かった」

続きを言えば確実にキレられそうだったので、上目遣いで睨んでくる桜木に苦笑いで謝罪した。

「折角ミッチーの部屋来てやってんのに、寒いこと言ったら帰るからな」

もう大学生にもなるって言う男が頬を膨らませて、可愛いなんて思うはずがないのに、思ってしまうところがもう既に自分は末期だと思う。

「はいはい…」

「………まぁ、この天才桜木様が…温めてやってもいいがな…」

「なっ…」

「座るだけだよっ!変な妄想すんなっ!」

桜木はそう叫びながらドカリと俺の胡座をかいた膝の上に座った。
赤い耳を視界にいれ口元をゆるめずにはいられなかった。

「む……なっ…変なとこ触るなっ」

「少しぐらい温めさせろ…」

そう言って肩口に顎を乗せ、後ろから抱き締める。

「餓鬼みてぇにあったけぇのな…お前」
「ぬっ!2個しか違わねぇだろっ」

人の膝の上でジタバタする桜木を抱き締めることで黙らせる。

「2個なんて十分餓鬼だぜ…でもまあ…お前も来年は大学生か…」

「ん…」

触り心地がいい赤い髪を撫でてやると大人しくなるのが、猫みたいで可愛いと、昔言ったことを思いだした。
もう一回言ってやろうかと思ったが、たしかタックルをもろに喰らったことも思いだしそれはやめておいた。

「しゃーねぇ…可愛い後輩兼恋人にクリスマスプレゼントでもやるよ」
「なにっ?!本当かミッチー」

膝から降りようとする花道を片腕で腰を掴むことでやめさせる。

「目瞑って…左腕出しな」
頭に?を浮かべながらも素直に左腕を少しあげる。一応目に手を当てると冷たいと怒られたので止めて、枕の下にあったものを桜木の手首と指につけた。

「ミッチー…これ」

「リストバンドと…フィンガーバンド……お揃いの…な」

ほーら、NIKEだぞーとか照れ隠しに言うと桜木が膝から降り、俺と向き合う形で正座しだした。
そして左腕をジッと見つめ時折こちらを見る。
その視線がどこかくすぐったかった。

しばらく沈黙が続き、桜木がなにか言いたげに口を閉開するので、頭を撫でながらどうした?と顔を覗き込んだ。

「ゆ…指っ……左……くっくっ…くす…」

顔を真っ赤にさせて、心なしか涙目な桜木に苦笑と安堵を覚え、少し意地悪に言ってやった。

「そ…左手の薬指……普通は人差し指とかだけど…その指に俺がはめてやりたかったから」

最後に気に入った?と聞いてやると、無言で抱きついてきたのでそのままベッドに雪崩れ込んだ。

「なに……っん…ぁ」

言葉を紡ごうとする唇を塞いで性急なキスをする。
桜木はいつまでたっても慣れるのに時間がかかる。開こうとしない唇を抉じ開けるのにはいつも苦労する。
それでも何とか唇を割り舌を絡め咥内を犯す。
合間に漏れる声にクラリと目眩がおこる。

「…はぁ…その声反則……やべ…我慢できねぇかも」
桜木の上にのし掛かり頭の横に腕を付き、桜木を眼下におさめニッと笑ってやった。

「ちょっ…ミッチー…」

「クリスマスプレゼント……俺にもくれよ…」

そう囁いて桜木の左手の薬指、フィンガーバンドにキスを落とした。

そう言うと眉をひそめながらも首に腕を絡めてきた。

「きざミッチーめ…いろいろ反則だ…」

そう言って触れるだけのキスをされた。



猫にプレゼント




>>やってしまった感が盛大に否めない!笑
三花とかどんだけマイナーなのか!
でも好きなんだぁぁあ!
ヘタレサドなミッチーと天然花道が好きだ!


竜弥







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