大嫌いだけど好きだよ
「あれ…リボーンって眼鏡なんかかけてたの?」
今し方、綱吉の部屋に入り、ドカリとソファに腰掛けた家庭教師はスーツとトレードマークの帽子と見なれない、銀縁の眼鏡をかけていた。
綱吉は目を通していた資料を、バサリと机に放り投げる。
「我がボンゴレ十代目の命による…そうだな……接待だ」
リボーンはテーブルに足を乗せ、煙草に火を点けた。
「いやだなあ…オレがいつ家庭教師様に命令なんてしたよ…恐ろしい」
クスクスと笑い綱吉はリボーンの隣に腰掛ける。
そして、リボーンのスーツから香る硝煙と少しの血の匂いに眉を潜める。
「家庭教師様はもしかして…ヤッチャッタとか?」
「は…まさか。脅してやっただけだ。ほら、契約書貰ってきてやったぞ」
リボーンはそう言い、クシャクシャの契約書を押しつけてきた。
契約書にはキチンと向こう側のサインはある。
所々に染みる血の跡は…見なかったことにしよう。
どうせ、下級マフィアだし。別にこんなサインなんてなくたって大丈夫なんだけどね。
ほら、使えそうなモノは使えっていうでしょ。
まぁ、もう使えないだろうけど。
綱吉はため息をつき、契約書を机に置いた。
煙草を吸うリボーンを見上げる。
「ね…なんで眼鏡?」
「……別に」
リボーンは綱吉の肩に腕を回し、自分に引き寄せながら、宙に紫煙をはきだす。
「うそばっかし…香水うつってる」
綱吉はリボーンのスーツに顔を埋めながら言う。
僅かに香る女ものの香水。
「知ってて俺に命令したかと思ったが?」
「………みてなかった」
マフィアには公証人に女を使う奴もいる。
事前にそういうことも分かっている。ボンゴレの情報網はすごい。
なのに、俺はろくに書類にも目を通さず…リボーンに頼んだ。
自分のミスなのに…無償に虚しい。
綱吉はまたため息をついた。
リボーンは仕事で女性に会うときは…眼鏡をかけているって聞いたことがある。何でかは教えてはくれないけど…格好良さは倍増…らしい。
「ま…自業自得だ。我慢しろ」
リボーンはニンマリと笑って綱吉の額にキスを落とす。
「…オレよりガキのくせに……」
「何か言ったか?」
「いーえ?家庭教師様」
綱吉はリボーンの足に又借りながら言う。
リボーンは目を細め、綱吉を見やる。
「なにしやがる気だ」
嫌そうな声色を響かせながらも、口元はいやらしく笑みを浮かべる。
「ん…消毒…かな?ああ…マーキング?」
綱吉は膝をたて、リボーンの帽子を払い除けた。
「へぇ…十代目様からのマーキングか」
それは楽しみだな。と余裕の笑みで返す。
「笑ってられるのも今の内ですよ家庭教師様」
ニッコリと綺麗に微笑み、リボーンの鼻に噛み付いた。
「っ…綱吉っ!」
「ププー…世の女性が見たら失神するくらい格好いい超美丈夫のリボーン様が聞いて呆れる…眼鏡ずれてるよ」
ケラケラと笑っていたら、リボーンにグイッと腕を掴まれた。
「…ちょ」
リボーンはしてやったりな顔を綱吉に向ける。
「上等だ。もっとマーキングしてもらおうじゃねーか。」
リボーンは眼鏡を外し、ニヤリと笑い綱吉に覆いかぶさった。
目の前にはガラス越しじゃない、いつものリボーンの漆黒の瞳。
前言撤回、眼鏡もいいけど…こっちのほうが強烈。ダイレクト。
「えっ…ちょっ……リボーン…んっ」
リボーンの舌は綱吉の唇を割り開き、歯列をなぞり、舌を絡めるために綱吉を追う。
「りっ……ん…ぅ…はっ」
「くっ…いつまで経っても……テメーのがガキだな」
リボーンは綱吉の目にかかる前髪をかきあげ、耳元で囁く。
「うっさい…リボーンの…ばか……大ッ嫌い……」
「ほぉ……んなこと言うのはこの口か?」
リボーンは顎を掴み、綱吉の口に指を入れ、舌を愛撫する。
「ふぁっ……」
「好きなんだろ?嫉妬するぐらい」
「ひらなひっ…」
リボーンは綱吉の目尻に溜まった涙を拭い、綱吉の首筋に跡をつける。
「おまえには…俺だけだろ」
「っ……だったら…はな…すな……!」
綱吉はリボーンに抱きつきそう叫ぶ。
いつもリボーンの前では…自分が自分じゃなくなる。
いや…自分になるんだ。
「…それでこそ、俺のダメツナだ」
リボーンはそう言って、美丈夫を少し崩した、綱吉の大好きな笑みを見せた。
「こういう顔を見せんのはテメーの前だけだ」
大嫌いだけど大好き。
Fin...
>>物凄い、駄文だし最後わけわからなくなりました。
なにげに、初リボツナ。
次はちゃんと話をまとめます。
竜弥