「なに……これ」

ああ…オレってばまだ酔ってるのかな?

いや…正確には、さっきまで酔ってた…だ。

遅くまで仕事があって…ムシャクシャしたから、仕事場の下のバーで飲んで…でも、独りで飲みたかったから…帰ってきたんだけど。
とか、いいつつ…結構飲んで酔っちゃって…。

一般人に気付かれないように…朝方を選んで車で送ってもらって…


てか…オレの玄関の扉を塞いでる…コレ。なに?


いや…コレってことはないな。
だって、どうみても…人だし。

そうじゃなくて…オレ家に入れない。

つか、何?嫌がらせ?
オレが一昨日の夜に出たときにはいなかった。

今は、朝の4時。



てか、寝てるの?死んでるの?



…………死んでる?!



オレは極力声を出さないように、玄関の扉にもたれかかっている人の…頬と脈を調べた。

ドクン……

ちょっと弱いけど…生きてる。
でも、冷たい。9月だから夜は結構冷える。

ヤバい…かも。


でも…関係ない人に知られたら…まずいし…。
いや…だからといって置き去りはいろんな意味でヤバいし。

自分も危なくなるだろうし。
てか、早く家入んないと怪しまれるし…。


「ええいっ!もーいーや!」

オレはそう叫び銀髪の青年?を部屋に引きずり込み鍵をかけた。


「あーもう…なんだってオレが……オレのお人良ー」

オレは青年の脇を抱えてるんだけど、どうしてもオレより背が高いから…引きずっちゃう。
なんか悲しい…オレより…年上だよね?

顔なんかかなり整ってるし…髪も綺麗な銀髪。
瞳も綺麗な深碧…え…瞳?


「うわあああっ!!」

ドッシーン

「いてー!」

オレは掴んだ手を放して尻餅を付いた。

だって、目が…目が……開いて…こっちを…


「おねーさんが拾ってくれたんスか?」


喋った。

ひろっ…拾って?
てか……おねーさん!?
おねーさんって誰??


オレが尻餅を付いたまま呆然としていたら、近づいてきた。


「おねーさん?」

そんな綺麗な顔で近づかないで…つか近い!!

鼻と鼻とがひっつきそうなくらい近づいてきた、その青年の瞳を見たら身動きができなくなった。


ボーっとしてたら…唇に何か押しあてられたと思ったら…ヌルリとしたものが…。
コレって…し…舌?!


「……んっ…んふっ…ぁ」

頭の芯がジンジンして、何が何だか分からなくて…唇から離れて、鼻の先で笑う青年を見て我に返った。


「なっ…にすんですかっ!!」

オレはそう叫び立ち上がった。


「おっオレは…おとっ男!…てか、何?!なんなんですかあなたっ!!」


「えっ?!おっ男っスか?!」

ビックリした顔をすぐにヘラリとした笑顔に変え、青年はオレにこう言ってのけた。


「おにーさん!俺、今日誕生日なんス!!だから…飯食わせて下さい!!」



何を言っちゃってるんですか…この人。
オレ…全然関係ないよね?!
見知らぬ人を家に入れて、なんか、キッキスされたしっ!
それに加えて…飯食わせてとかー!!



とか、言ってるわりに…


「うまいっス!」

「はぁ……てか、あなた…なんでオレん家の玄関にいたんですか?」


オレは冷蔵庫の中にある、余り物?で野菜炒めと、チンしたご飯と、作った味噌汁を美味そうに食べる青年を目の前にし、聞いた。

「あっ…俺の名前は獄寺隼人です!18歳になったばっかっス!腹減ってて…気付いたら…」

「18ぃぃい?!ってか…ハヤト!?」

え?18ってことは…何?
高校生ぐらい???

えっ?…俺より年下?!

てか…ハヤトって……まぁ、それは置いといて。


「さっ詐欺だっ!」

「え?」


こんな…大人っぽいのに……18なんて…。

いや…さっきからエラク子供っぽいとは思ってたけど…


オレと3つも違う…。

「あの…獄寺くん」

「隼人でいいっス!えっと…」

「ああ……綱吉…沢田綱吉だよ。今年21になるよ」

「あ…沢田さんっスね…………………えっ?!21!?」

隼人…は驚いたように少しお茶を吹いた。

「なに?」

まぁ、大体…分かるけど。

「俺より年上っスか!?」

ほら、きた。


「ちょっと…何歳だと思ったのさ…目悪いほうでしょ」

初対面の人に向かって失礼じゃない……どーせ…オレは童顔…髪も長くしてるから……でも襟足だけなのに…さすがに女はひどいよね。

「すっすみません…目はいいほうッス………沢田さんこそ…俺…そんなに老けてます?」

隼人は色素の薄い眉を下げ言った。


「いや…老けてるんじゃなくて…大人っぽいなって…」

てか、なんでこんなにフレンドリー?
名前も…教えちゃったし……やっぱオレ酔ってるのかな。

てか…ずっと思ってたけど……この人似てるな…。


「あのっ…」

「それ食べちゃったら帰りなよ?」

オレはテーブルに手をつき、立ち上がりながら言った。


「えっ!」

「えっ…て……お母さん達心配してるでしょ?」

てか…オレが何げに迷惑……。

「いや…親はいないッス……つか…家も無くなっちまいました」

「え…?」

どういうこと?って聞こうとしたけど…やめておいた。

目が、それ以上聞いてほしくないって言ってたから。


「…職は?学校行ってるの?」

隼人は暗かった顔をパッと明るくした。

やっぱり…昔飼ってた…ハヤトみたいだ。


「おっおれ…フリーターっつーか…バイトしてます」
「あー…夜?」

「いや、不定期ッス…」

申し訳なさそうに言った。

「いや…別に……じゃあさ…オレのペットになるんなら…ここに置いてあげるって言ったらどーする?」


オレはボケッとする隼人の額にデコピンをくらわせ笑った。

「うそうそ…じょうだ「本当っスか!!?」え?」


冗談で言ったのに…オレの職業がバレタらって思って…諦めてもらおうと。


「ありがとうございますっ!!!」

「ええっ!?」

まっマヂ?

嬉しそうに首に腕を回してくる…尻尾があったら千切れんばかりに振ってるんだろうな…。

冗談だ。なんて…言えなくなっちゃったじゃない。



久しぶりのあったかい体温。
懐かしい温かさ。


「隼人…ね…オレが昔飼ってた…ハヤトって犬に似てるんだ」

「え!光栄ッス!!」


いや…犬に似てるって言われてるのに光栄とか…。

オレは可笑しくて笑った。

「死んじゃった時は…オレも一緒に死んじゃおうと思った。」

「死んじゃダメッス!」

心配そうに俺を覗き込んできた隼人が可笑しくてまた笑った。


「笑わないでください…よ……でも…笑った綱吉さんのが綺麗ッス!」


そう言って、鼻の先にキスを落とされた。


「ちょっ!君っ!!ホモなの?!」

さっきから!キスとかハグとかっ!!

「え?スキンシップッスよ!」


なんかいろいろおかしいような。


「綱吉さん!俺っ…最高の誕生日ッス!」


そう言って笑った隼人…。

可愛いから…暫らく飼ってみようと思った。


「暫らくだからね?わかった?」

「ハイッス!」


9月9日、オレは、誕生日だと言う大きな犬を飼うことになりました。


オワリ






>>きみはペットのパロと言い切る、獄寺ハピバ記念駄文。
続きそうですね。
はい…続きそうです。←は
綱吉の職業とか、獄寺の本当の職業とか…まぁいろいろ設定はあるんですが…一先ず終わらせておきます。
獄寺のスキンシップの激しさ…すみません。
てか、キャラ違いすぎる。

隼人きゅん!遅くなったけど!ハッピーバースデー(∩∀`●)

竜弥






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