「馬鹿野郎……犬のくせして…」
なんで自分はこんなにもあの馬鹿犬のことばかり考えてるんだ。馬鹿らしい。女々しい。
…寂しい。

真っ暗の部屋。ルキアもコンもリビングで騒いでるからここには俺だけ。
今日は満月なくせして雲に度々隠れるからなにも見えない。
それでもベッドに座って真っ暗な空を見てる自分にイライラしてきた。
イライラしてきたのに、やめられない自分が嫌だ。
窓の横の壁に背をつけて膝を抱え顔を埋める。

「馬鹿…恋次」
「だぁれが馬鹿だって」

吐き出した科白と息を呑み込んでバッと顔をあげると月明かりに照らされた紅が目前に…(こういうときだけ月でやがって)
口を開こうとしたら直ぐに塞がれる。
ゴチリと壁に後頭部を打ち付けて、暢気にも痛いとか考えた自分が忌々しい。
息をする隙もないくらいに深く口付けられて、舌をからめられて甘く吸われる。
「っ…、れんっゥンン…ンー」

発する言葉は鼻に抜ける苦し紛れにも成らない、意味を成さないものばかりで、いつもならこの盛った馬鹿犬の紅い髪をむしりとるか、鳩尾を蹴り飛ばすかするのに、今は、涙流してキスをねだって恋次の頭をかき抱いてる。
そんな馬鹿な自分がいる。
自分から口腔に舌を侵入させ、馬鹿犬の犬歯を舌先でなぞってやる。
すると目の前の馬鹿犬がふっと口角あげて笑った気がした。
次にはその犬歯で舌を甘く厭らしく咬まれて、頭の奥、身体の奥がジンと痺れた。

漸く離れていく舌は自分の舌と、唾液で糸をひく。
それをボンヤリ見詰めていたら口端に溢れた唾液を舐めとられ、ベッドに押し倒された。
気付いたらギラギラと光る欲情した雄犬の瞳からそらせなくなっていた。
唇を厭らしく舐め犬歯をみせる、まさしく雄犬。

「次…どうしたい?」



キスして押し倒してそれから

(野暮なこと聞くなよ)





>>恋一で…エロを書こうと思って断念\(^^)/
恋次が忙しくて会えなくて淋しくなっちゃった苺ちゃん。

もうなんかドMな苺ちゃんを書きたい←

竜弥


title:にやり









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