すげぇ、綺麗な夕日だったから、ちょっと余所見してた。
なんつーか、目が離せなかった。
赤と橙のコントラスト。

「ねぇ、一護…帰らないの?」

手を繋いだりりんが少し控えめに、此方を伺うように言葉を紡ぐ。
小さく、そうだな。なんて呟いて金のさらさらした髪を撫でてやると、嬉しそうにはにかんで、心配なんて一護の分しかしてないんだからね、と言われて、そうかって言って笑った。

「綺麗ね…赤と橙…」

「ん……」

暫く、夕日が沈むのを見ていたら隣のりりんが握っていた手を引っ張った。
何事かと思って隣を見ると、後ろを見ていたので、振り返ってみた。

夕日に染まる赤髪。
肩が上下しているのが瞬歩では無く走ってきたのだと物語っていた。

「恋次…」

隣のりりんが呟いて少し肩を震わせてしまった。
夕日に染まる顔は情けない。
大概ヘタレ犬なんだよな。なんて、考えてたら赤がいつの間にか視界の端に。
りりんと手を繋いだままの俺を抱き締めてきやがった。
お子様の前で、しかも公共の場で…馬鹿犬め。


「…ごめんな」


耳元で絞り出すように言った恋次の鳩尾にグーでパンチを喰らわせて、とびっきり馬鹿犬が好きな笑顔を向けてやった。

「帰るぞ…」

前屈みになって目尻に涙を溜め、それでも俺の笑顔を見てホッとしたらしく、苦笑した恋次にバーカと告げて、りりんと歩き出す。

「帰るってよ恋次」

しょうがないからアタシが手を繋いであげるわよ、と言って恋次に俺が繋いでいる方と逆の手を差し出す。

「ああ、ありがとな…」

そう言ってりりんの手を握った馬鹿犬はやっぱりヘタレで。
それでも憎めない恋人って奴で、可笑しくて少し笑った。


夕日色にさようなら
(また明日、)




>>初、恋一が喧嘩の話ってorz
小さい子を絡ませるのが好きです!アニメ見てない方はすみません!
一護って本当に小さい子とか女の子にモテますよね!つか老若男女誰からもモテますよね。
ネルとか姉妹とかと絡ませるのも好きです!
もう、若い夫婦みたいな二人が好きすぎます!


竜弥









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