行動で10のお題

!←注意
振り返る(さすけとべんまる)
息を止める(さすけとゆきむら)!
顔を俯ける(さすけとゆきむら)
髪をかきあげる(さすけとゆきむら)!
指先でなぞる(さすけとゆきむら)!
背を向ける(さすけとゆきむら)
抱きしめる(さすけとゆきむら)
走り回る(さすけとゆきむら♀)
引き留める(さすけとゆきむら)
キスをする(さすけとゆきむら)


※佐幸または佐弁





振り返る

「いい加減にしろよ」
佐助のそんな言葉にも、へらりと笑うだけ。
胸糞悪い。本当に。
自分は忍ではあるが、子供のお守り役じゃあないと、佐助は小さく舌打ちする。

「さすけーさすけー」
ああ、欝陶しい。いつまでついてくる気だ。

(振り払うぐらい容易いだろう?)

そう思うものの、足の速度を早めない自分が忌々しい。しかし絶対に後ろを振り返ってやらない。

(振り返ってしまったら…)

「っ!?……うあああーんっ!」

ベシャリという音がして、すぐに振り返る。

(ああ…くそ…)

地面と接吻するように見事に転んだ弁丸を眼下に納める。

「…またか」

(また振り返ってしまったじゃないか)

頭とは全く違う行動に出てしまう自分を呪いたくなった。

「どこかうった?…大丈夫……すぐ治るよ」

ひくひくと嗚咽をもらす肩を優しく抱き、背を撫でる。


(振り返ってしまったらお仕舞いなんだ。なにもかも。)







息を止める

「ひっ…あっ……」
自分の真下で、もう耐えられないという風に乱れに乱れた幸村に佐助は舌なめずりをする。
(こんなにも…淫乱になるなんて…)
「思いもしなかった…」
思っていたことがスルリと零れ落ちた。

それに反応するかのように幸村は佐助を虚ろな瞳で見つめる。
「…さすけ」
佐助の首に腕をまわし、顔を近付ける。

そして…佐助の頬をペロリと舐め上げた。
さすがの佐助も是には驚いた。
赤い顔で幸村を見ると、実に妖艶な笑みを浮かべていた。
そして、その赤い唇が言葉を紡ぐ。
「もっと…して…」

佐助は生唾を飲み込んだ。


(呼吸困難に陥るかと…)






顔を俯ける

「ねぇ…本気で言ってるの?」
佐助は自分の声がやけに耳に響くと、あまり働くことをしない頭で思った。
目の前の幸村は何も言わずに顔を俯けるだけ。

(冗談はよしてくれ…)

「…もう…終わりなの?」
自分の声が情けないぐらいに震える。
幸村は頷くことも、首を振ることもせず俯いたまま涙を流す。


(別れるなんて嘘なんだろ?
嘘だと言ってくれ!)






髪をかきあげる

「髪…綺麗だな」
脳髄までも揺さ振られるような、しかし心地好い揺さぶりを感じながら幸村は目の前に広がる柿色に手を伸ばす。
「…まだ…余裕そうだね旦那…」
「っはぁ…そうでもない…」
自分の紅く熟れた胸の尖りに、ねっとりと紅い舌を這わす佐助の柿色に指を絡める。

「あっ……ん……さ…すけ」
佐助は幸村の両腕を掴み、幸村の頭上に縫い止める。
「俺の髪なんか…どうでもいいでしょうが」

そう言った佐助は顔を隠していた柿色を掻き上げた。
眸に囚われる。
幸村は喉元でくつりと笑った。
「お前の一部だろう…」


(そんなの…
知ったこっちゃない)







指先でなぞる

「ふふ…くすぐったい」
幸村の白い項に指を這わすと枕に顔を埋めていた幸村が肩を震わせ笑う。
可愛いなと思って、指先で背筋をツッとなぞってみた。
「んっ…」
「っ……」
背を逸らせて腰にくる声が幸村から漏れ、佐助は一瞬手を止めた。
が、すぐに口角をあげ幸村の項に唇を這わし、指先で何度も背をなぞる。
「んっ…は…ちょっ…ばか…」
「えっろい声…」
「やめっ…」
幸村は躯を起こそうと力を入れるが、佐助が乗っているのと力が入らないとで、枕に顔を埋めたままだ。
「あーだめだ…なんか入っちゃった」
だからしよ?と佐助は幸村の耳元で囁く。
「やぁ……は…入っちゃったではない!退かぬかっ!う…ぁ…」


(流される流される…)






背を向ける

「ねぇ…こっち向いてよ」
佐助は痺れる手で幸村の尻尾のような髪の毛を引っ張る。
なぜ痺れているのか…なぜ幸村がこっちを向かないのか分からない。
何か怒らせることをしたのか…佐助はボンヤリとする頭で考えるが、頭は働きたがらない。
「知らぬ…」
「俺様何かしちゃった…?」
「…していぬとは…言わせぬ…」

幸村の言葉を聞き、佐助は自分が布団に寝ていることに気が付いた。
躯が思うように動かない。幸村に聞こうと幸村の背を見つめると、肩がふるふると震えていた。
「ねぇ…旦那…泣いてるの?」
「泣いてなど……ないてなど…」

(そんな悲しそうな背を向けないで…)

ふっと躯の痺れがとれた気がして、思わず佐助は幸村の背に抱きついた。
その後、すぐに痺れが襲ってきて佐助は苦笑した。

「っ…さすけ?おまえ…動けぬのでは…」
「うん…まだ…痺れてるみたい…」
首筋に苦しそうなしかし、笑う佐助の声が聞こえ、幸村は自分の腰に回る佐助の手に触れる。
「こら…寝ておかぬと…」
「…ごめん…旦那…心配かけた……」
佐助の言葉に幸村は静かに涙を流す。
佐助の包帯が巻かれた腕に落ち、染みをつくる。

「無茶は…しないで……くれ…」

「うん…………ただいま」
幸村は佐助の言葉に答えることが出来ず、小さく何度も頷いた。


(おかえり)





抱きしめる

「佐助…苦しい」
自分の忍は先程から何も言わない。
唯々、幸村の身体を強く強く抱き締めるのみ。
引き裂かれた皮膚に血がまた滲むが、痛いとは言わない。
言えない。

「佐助……潰れてしまう」
苦笑し幸村は佐助の背に腕を伸ばす。
震える背を優しく撫でてやる。
「俺はここにいるぞ…佐助」


(貴方がここに在る温もりが欲しい…
お願いだから独りにしないで…)







走り回れ

春なのに少し汗ばむ陽気が続く何てお天気お姉さんは言うけど、今日は格別寒い日だとさっきまで思ってた。
なのに、なんで俺は今めちゃくちゃ汗かいてんだろうね。
俺様には全然似合わねーっつーの!

「あんの…おてんばがっ!二分はキツイつーの!」

そうごちて、短いスカートで学校内をウロウロしているだろう幸村を想像し、走る速度を上げた。

SHRの後すぐにかかってきた電話。
内容は分かっている。


『今日は…二分だから……ね?』


電話を切ったら、俺と幸村の鬼ごっこが始まる。

幸村と俺のクラスは校舎ごと違うから、幸村は歩き、俺は走って幸村を探す。
でも、逆方向に行けばアウト。

つか、二分はキツイでしょ。
昨日は五分。気紛れ過ぎでしょーが。

それでも俺は必死扱いて、幸村を探す。
やきがまわってんね俺も。
そんなこと思ってたら、スキップでもしそうな軽やかさでこちらを振り返り手を振る幸村を見つけた。
すぐに抱き締め、安堵のため息を吐き出した。

「つかまえた…」
「……つかまえられた…」
実に嬉しそうにいう幸村にうらめしそうな顔を向けると、物凄く可愛い笑みで返された。

「…二分弱……残念だな佐助」

笑顔に見とれてたらこの仕打ち。

「破廉恥なことはお預けだな…」
「……またか…、そんなに俺様としたくないの?」

佐助の言葉に顔を真っ赤にし、腕をつっぱねる。

「昨日やった…でしょ!」
「俺は毎日幸と…ってぇ!殴ることないじゃん!」

鳩尾に鉄拳が入り、少々痛かったぞ、と腹を押さえうらめしそうに幸村を見つめた。

「…キスなら…いい…」
幸村は佐助にむかって舌をだし、恥ずかしそうに笑った。


(拷問ですか?)





引き留める

佐助は幸村を目の前にし目を見開き、口は開いたままだ。

「ど…どうした…」

「いや…それはどうかなぁ…」

佐助はかなり顔を緩めながらそう言う。顔と言葉がちぐはぐだ。

「な…なぜだっ!政宗殿がこれを着ると佐助は嬉しがるとっ!」

幸村は今も尚、顔を羞恥で染めピラリと短いスカートの裾を左右にひっぱる。

(ちょっ……足がっ)
佐助は焦りながらも幸村を上から下まで舐めるように見る。
幸村は、政宗の薦めでセーラー服を着ているのだ。

「(竜の旦那殺す…でも…)あー…うん…そうねぇ」

幸村の無知な純粋さにクラリと眩暈を覚え、佐助は幸村から目を逸らせた。
それが気に食わなかったのか、ズズイと佐助に顔を近づけ四つんばいになる。

(ち…近っ)

「なぜ俺を見ぬのだ?!変か?」

「あー…いや……」
(っ……ち……乳首が見えて…)

「さすけっ」
「ああもう…」
しらないから。
そう言うと幸村を押し倒した。
しばらく何をされたのか分からず、ぽやりと佐助の顔を眺めていた幸村だったが、ニヤリと笑い胸のリボンを緩めだした佐助に顔を真っ赤にさせ騒ぐ。

「ひっ…ちょ…なにをするかっ……ああ!そんなとこ」

「暴れないのーなんか俺様ムラムラきちゃった…責任とってね幸村ちゃん…」

「やめっ……ぁ」



(俺は一瞬引き留めたから!自分をね!
…無理だったけど!)






キスをする


「…見えぬのか?」
幹にもたれ掛かる佐助に幸村は問う。
光を宿していない瞳。
分かり切っているのに言葉を待つ。

「……旦那が敵陣になんか突っ込むのが悪いんでしょ…大丈夫…後少しで見えるようになるよ。なんだって旦那はこうも無茶するんだろうね」
相手の忍も馬鹿だね。一時的の麻痺薬だなんて。
普通は一生とか、殺しちゃうやつにすればよかったのにね。
そう言い、口元を押さえ笑う。
そんな佐助にも覇気が伺えない。
幸村は佐助の名前を弱々しく呼ぶ。

「さすけ…」

「もー俺様の体がいくつあってもたりないよー…旦那に怪我されちゃあ困るんだよ俺様がね」

「さすけっ」
喋り続ける佐助に幸村は声を張り上げる。

「旦那は気にし…っん…」それでも喋り続ける佐助に幸村は唇を押しあて黙らせる。

「怖いのなら…怖いと言え……」

唇を離し、幸村は小さく呟く。
そして、すまぬ。と、佐助の忍装束を掴み言った。

「……一時的だって…」

「すまぬ…佐助……闇など…感じさせてしまって」

「忍は闇に生きるんだよ…」

そう言った佐助に幸村はまた唇を押しつける。

「っは…闇などでは生きさせぬ…」
佐助の唇を舐め離れる。
すると、幸村の顔に佐助の手が伸び頬に触れる。

「……じゃあ……見えるまで…接吻しててよ」

耳元で低く囁き、まるで見えているかの如く幸村の目の前で笑う。
口角の上がった佐助の唇に触れると、腰を抱かれ深く口付けられる。

「んっ…はっ…んんっさす…け…ふぁッ…」

「泣かないでよ…らしくない」

佐助は唇を離し、縋りついてくる幸村を抱き締めながら頭を撫でる。

「ふふ…見えているように言うのだな…」

「接吻してたらなんでも分かるんだよ…だから…もっとしよ?」




(闇に囚われても貴方の唇の温かさで光が見えるから)




配布:
少数お題配布場



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