いけないことだって、分かってても…止められないことだってある。





「ゆーきー!」

上から下まで派手派手派手。
派手と云っても、いい具合に派手。

格好良く着くずされた制服。
制服の下には色付きTシャツ。
耳には複数のピアス。
うまい具合にまとまったシルバーのアクセサリーは更に彼を引き立たせる。


そして、一番目立つ柿色の髪の毛は今日はバンドで上げられている。


「………帰れ、猿飛」

「ひどっ!ひでーーー!」

椅子に座ったままの保健医の真田幸村は、保健室のドアを壊さんばかりに開け入ってきた派手な男子生徒、猿飛佐助に冷たく言う。


今にも幸村に抱きつこうとしていた佐助は叫びながら保健室のベッドにダイブした。


「ゆきってば…ひどすぎだよ」


佐助はあからさまにため息をついた。


「……言葉を謹め猿飛佐助。ここは公共の場だといっているだろう。………先生と呼べ」


「保健室は公共の場ではございません、ゆきと俺の愛の巣です」

さも当たり前かのように佐助は言い、ベッドに俯せになりジタバタしている。


幸村は寝転んでいる佐助の頭を、持っていたバインダーで殴った。

心底力をこめて。


「っっっっ!?!たぁぁああっ!いてー!」

佐助は頭を抱え踞る(うずくまる)。


幸村は悪怯れる様子無く、佐助にバインダーを放り投げた。


「仮病だろうが…一応症状を書いておけ、仮病だとな」


「仮病って書いたら仮病の意味ないじゃん……てか、角で殴らなかった?」


頭を擦りながら唇をとんがらせる。


「そんなことは知らぬ」


さて、職員室に電話でもかけるかの。


そう言いながら受話器に手を伸ばす。


「まって、ゆき…いや幸村先生」


「真田先生」


「真田先生!待って!」


「真田大大大大先生」


「ちょっと…」


幸村はガチャリと受話器をとる。


それを見て慌てて佐助がベッドから飛び降りる。


「真田大大大大大だい先生!それだけは勘弁!」


佐助は幸村との時間を、煩い担任やらに邪魔されてはたまらないと、そう叫びつつ幸村の受話器を持った腕をやんわりと掴んだ。


「よろしい……今回だけだぞ佐助…次は授業にちゃんと出なさい。というか、授業中に来るな」


幸村は呆れ顔で笑い、受話器を起き、佐助を見つめる。


「授業にはきちんと出ろといっているだろう?…そして学校では…名前で呼ぶでない」


オレ達は、『先生と生徒』だぞ、と佐助をジロリと下から睨む。


「……なんかいけない関係みたいで興奮すんね」


佐助はおどけたように言う。

「馬鹿者!いい関係なわけないだろう!」


幸村は頬を膨らませ、ドカリと椅子に座った。

そんな幸村を見て苦笑を浮かべ、佐助は幸村の目にかかる長い前髪を梳く。


「なにをする佐助っ?!…………ン」


幸村の言葉を遮るように、前髪をかきあげてやりながら唇を合わせる。


「ばっ……ン……ふぅっ……ぁ」


舌を最後に吸うように離れると幸村は小さな声で佐助の名を呼ぶ。


佐助は満足したように笑い、上唇をペロリと舐めると言った。



「名前呼んでるの…自覚してないでしょ?」




危ないを渡る
(もうお互い引き返せないって)





>>生徒×保健医パロ
幸村はきっと美人保健医!←
佐助と幸村は1、2年ぐらい付き合ってます?(聞くな)
佐助入学したての時に赴任した新米保健医幸村に一目惚れした佐助くん。
アタックを半年以上して実った恋ですよ。本当。
彼は今卒業シーズン。
てーの、書きたいです。←え


アタシの覚えている保健の先生は…パワフルなおばちゃん達のみです。←



竜弥

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