この耳と尻尾が大嫌いだった。これ等がなかったら自分は人間となんら変わりはしないのに、どうして自分はこんなにも醜い姿で生まれたのだろうか。

今日、継母様(かあさま)にこの山に捨てられた。父上が亡くなったからだ。
自分は父上以外の人には化け物扱いしかされなかった。
自分がこんな形(なり)なのは母上と父上の父上が(自分のお祖父様)が妖(あやかし)だったからだと聞いた。母上とお祖父様はそれはそれは素晴らしい妖だったと聞いた。
でも、周りの人々、人間は妖を毛嫌いした。
それでも、父上がいてくれればそれで幸せだった。
父上が亡くなられる前に貰ったこの六紋銭は父上の形見となった。
父上が亡くなって、暫くは継母様や義兄様達に事故に見せかけて殺されそうになった。毒を盛られたり井戸に落とされかけたり、それでも死にはしなかった。継母様は化け物だと騒いだ。

そして、今日、継母様に初めて牙を剥いてしまった。
父上の形見をとられそうになったから。売ったら高値になるかもしれないと…。

だから、今、自分はここにいる。

ここには、鴉天狗がいるとされていて、近寄った者は喰われると継母様が嬉しそうに言っていた。

さて、どうしよう。
まあ、もう、死んだっていいんだけれど。
出来れば痛くない程度に殺されたい。
でも、殺される前に此処等を探検してみようと思う。だって、庭以外の外に出るのは初めてだから。




>>また、性懲りもなくシリーズ…。
スミマセン(´Д`)
あんまりアップは気にしないで下さい。自己満ですので、趣味ですので!←

#090401

竜弥

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