一番テーブルに座る伊達政宗。通称、竜の旦那は歌舞伎町のNo.1ホスト。
ウチと同系列の『CLUB BSR』で若いのにNo.1を維持してる、要するに喰えないイケスか無いストーカー野郎ってこと。
なんでそのNo.1ホストが仕事ホッポリ出してウチのクラブに入り浸ってるかというと…。

「幸村…今日もcuteだぜぇー」
「政宗殿、だいぶ酔ってますね」

ウチのNo.1、幸村に心底惚れてしまったから。

「うっし、platinaいれろplatina!」

「わぁ、ありがとうござりまする!ドンペリのプラチナ入りまーす」

流石、No.1ホスト。ドンペリの最高級。プラチナを頼むなんて。あれ百万くだらねぇのにな。
他の客も吃驚してんじゃないのさ。

そうだ、お仕事お仕事。
俺は、バーテンの才蔵から酒を受け取り政宗の前にドカリと置く。

「へーい、ありがとうございまーす。竜の旦那」
「なんだmonkeyか、客に対する態度がなってねーなぁ」
「それよりまず、ウチのNo.1に気安く触るのやめていただけます?」

ニッコリと笑顔を忘れずに。俺様超大人。
暫く睨み合ってたらなんか飛んできたからヒラリと避けた。

「ぎゃっ!」

ナイスヒット。政宗の左目に命中したのを見て、俺は小さくガッツポーズを決め込んで、モノが飛んできた方を見た。
まさかの握り飯だったから、誰かはあらかた分かるけど。

「コラッ!おさむらいっ!幸村にベッタベタ触るでねぇっ」

このクラブの最年少のいつきちゃん。
幸村のことが大好きで慕うって言うのかな、要するに政宗は敵らしい。つっても、なんだかんだ言って兄妹みたいに仲いいけど。

「うるせーな俺は乳くせぇ餓鬼と遊んでる暇は…いてててっ」
「乳臭くなんかないべ!」
いつもの兄妹喧嘩は見飽きたから、俺は幸村にプラチナの入ったグラスを手渡した。
幸村はニコリと笑って、頂きますね、と政宗に言い俺に手渡してきた。

「佐助も頂け、」
「え、俺はいーよ」
政宗の金でなんか飲みたくないね。そう言葉には出さず、グラスをテーブルに置いた。
そしたらいつきちゃんがグラスを引っ付かんで酒をあおいだ。

「あっ!てめっ、未成年が飲むなっ」
「うっさいべ馬鹿侍。あ、幸村、二番テーブルにアイツがきてるべ」

いつきちゃんからグラスを取ろうと政宗が必死なのがおかしい。どんだけ過保護。まぁ、いつきちゃんはまだ18だから言いたいことは分かる。

「あいつ…?」
「熊だべ熊…」
「ああ、慶次殿ですか」

また、あの風来坊か。
俺は二番テーブルにドカリと腰かけた大柄の男の後ろ姿を見てため息をついた。そして、横目で時計を見やる。指名時間終了三分前。

「はーい、竜の旦那時間だよ。幸村は次のお客さんとこ行って?」

「わかった。…では、政宗殿またいらしてくだされ」
「Oh…もうfinishかよ…最後に手を握らせてくれhoney」

くそ気持ち悪いんですけど。マジでドンペリの瓶で頭カチ割ってやりたい。
とか思うけど笑顔。営業スマイル得意でよかった本当に。

「申し訳ないです…政宗殿」

キャバクラはホストと違って時間制だから常連客だと言っても幸村を指名できる時間は決まってる。

「まぁいい…まぁた来るからよ」

幸村の白い甲にキスをし投げキッスを送るコイツをマジで土に埋めたい。
幸村もフンワリと笑って実に嬉しそう。
この笑顔にみんな落ちちまうんだから。

「はい、お待ちしておりますね、では」

幸村は小さく頭を下げると次のテーブルへと足を運んだ。

「しゃあねぇ、お前で我慢してやるか…」

政宗は自分で酒を注ぎ、いつきちゃんを見やる。

「失礼ぶっこくでねぇっ!あ!今日はオラんとこでできた握り飯食わせてやるだ…まっ!幸村のために作ってきたんだけどな!」
「一々ムカつく餓鬼だな、つーか握り飯つーのはコイツのことか」
「そうにきまってるべ!」
「おまっ!人に投げたもん食わせる気か!」
「肝のちいせぇ男は生きていけねぇだよ」
「てめぇ…」




No.1ホストが聞いて呆れる








>>三萬打リクエスト
大変申し訳ないです。
シリーズ化してしまいました。
そして、なんか…すみません!
早めに完結させますので。
苦情受け付けてます←

キャバクラですが、なんかホスト見たいなノリです。
幸村はおなご設定で。



竜弥


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