二人っきりの放課後の職員室。
二人きりなんて、最高のシチュエーションじゃないか、でも、なんだか行動するのも億劫になる。
色気も糞もない唸り声なんてあげられちゃあ…どうしようもない。
本気にしたのはアンタ
「うーむ…ううーん…」
何時間もこればっかり。
赤色の真新しいパソコンを起動させて早三時間経過。
こんなにも時間がかかるなんて正直思わなかった。
17時から20時、漸く形ができたな、なんて思ってたら横からやってあげた自分が殆ど作ったようなものだと、液晶に映し出された小テストを見て小さくため息をついた。
「猿飛先生……」
おまけにこれ。これに弱いんだ。
此方の様子を伺うようにチラリとする上目遣い。
本気で心臓に悪い。
つか、なんでこんなにも俺の心臓はひっきりなしに高鳴るんだよ。
アホらし。
「…どこがわかんないんです?」
「どこが…わかんないかわかんないんです」
お手上げ。
俺はなにも考えずに後ろから真田先生を包み込むようにパソコンを覗き込みキーに触れる。
「ここがですね…真田先生…」
あ、ヤバい。
そんなことを考えてたら心地良い甘い香りにクラクラした。
(もう、襲えってことですか?)
「真田…先生…」
マウスに置かれた手に触れながら耳許で囁くと、
「だあぁぁあっ!もうこんな時間じゃないですかっ!猿飛先生っ!ありがとうございましたっ!おっ俺…今日、戸締まりでしたっ…猿飛せんせ?」
物凄い叫ばれた挙げ句に、後頭部が俺の顎に命中。
痛いなんてそんな程度のもんじゃない。
舌噛んだらどうしてくれるんだよっっ。
「っ…」
「うわわわわっ!猿飛先生っ大丈夫ですかっ?!すっすみません!!」
なにこれ。
ムードもへったくれもない。最悪。
俺は些かよろけながらも顎を押さえたまま、大丈夫だと笑った。
俺様最強。
「…僕も…手伝いますよ」
「ありがとうございました猿飛先生!後はここのコピー機の電源を消すだけです」
そう言ってコピー機の電源を落とし、此方を振り返る無邪気な真田先生。
なんて言うのかな…
無性に汚したくなる。
「真田先生…」
此方を見つめる大きな瞳をとらえる。一瞬揺らいだその瞳を逃さず間合いを詰める。
すると直ぐに後ずさる。また詰める。それを何度か繰り返すと真田先生を壁に追い詰める形となった。
俺は探るような瞳を向け、真田先生の顔の横に両の手をつき壁と腕で囲った。
「…猿…飛…先生?」
唇が名前を紡ぐ。
俺はその唇に誘われるようにキスをする。
「っ…はぁ……っは…なに…す……ンッ」
強い力で押されるもののキスを深くする度にそれも弱くなる。
薄目をあけ先生を見てドキリとした。
色素の薄い長い睫毛が生理的な涙で濡れ、フルリと揺れる様が綺麗だと思った。
「っ…はぁ…」
壁をつたい床に座った真田先生を上から見つめる。まだ胸がドキドキしてる。
「何って…キスです」
先ほどの問いにニッコリと答える。
真田先生は潤んだ瞳で見上げてくる。
「いい加減素直になりますか…」
「は…え?…」
未だに何が起こったか分からない真田先生の前にしゃがみ込み言ってみた。
「…好きなんだけど…アンタのこと」
「……は、」
「幸村せーんせい?……責任とってもらいますから…ね」
「え、ええ??!」
俺はワタワタと焦る真っ赤な幸村の唇にまた、キスをした。
(認めてやろうじゃないの、)
>>38888HITキリリクの数学教師×古典教師の続きです。
大変お待たせ致しました(__)
なんだか不発に終わりました←
ギャグのようななんという…。
すみません!こんなんで宜しければっ…キリリク下さった方に。
竜弥