「兄上…あにうえ…どうなされたのですか?」

幸村は信幸の膝のうえに座り小さく縮こまり、後ろから手首を掴む兄に恐る恐る聞く。

信幸はくつりと笑い、そのように強ばるでないと優しく幸村の髪を撫でる。
その温かさに目を細め、緊張したように、しかし嬉しそうにはにかんだ。

「源次郎は…兄上に触られるのが好きでござりまする!」

「そうか…して、源次郎よ…」

幸村はくるりと、信幸の問いに首を傾けた。

信幸は柔らかい笑みを携え、前を向きなさいと諭してから幸村の肩に顎を乗せた。

幸村は驚き、ビクリと一瞬動いたがすぐにピシリと背筋を伸ばした。

信幸は幸村の細腰に腕を回し、揃えてあった幸村の両の腕に触れる。

「源次郎は細いな…」

「なっ……そっそうでござりまするか…」

細い=貧弱=弱いと頭の中で変換し幸村は肩を落とす。

「肩を落とすでない…手首だ…源次郎」
(勿論どこもかしこも細いのだが…)

信幸は苦笑しながら幸村の手首に指を這わせる。

「…同じにござりまする……それに…兄上の指が長いのです」

某は短いのに…と掴まれていない腕を顔の前でプラプラさせた。

「……しかし…まだ余ってしまうな…」

「…兄上が指が長いのです」

幸村の二度目の言葉に苦笑し、信幸は幸村の両腕を一まとまりにし、自分の唇を押しつけた。

「……捕まえておくことは皆無なのだな」
(このまま…拘束できていたらどんなに…)


信幸の言葉の意味が分からなかったのか、小さく、え?と口にした言葉は、次の信幸の接吻に呑み込まれた。




指の廻りきるの手首
(枷が滑り落ちてしまう)





>>ちょっ!源三郎さま!弟にっ!

初!兄幸です。(え)
お兄さまは素敵な方だと思います。そして、幸村狂者だと思います!
更に、幸村に手を出していると…ゲフン
佐助と同等、もしくはやや上でいろいろ勝ってると思われます。(何)
兄幸大好きなんですが…書けない。

竜弥


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