「さっ佐助っ、どうしようっ」

人ん家の玄関のドアをぶち破らんばかりに開け放って、泣きそうな声で叫んで入ってきた旦那が可愛いな、なんて思った自分は本当に変態かも。



蕩けるようなの笑み




「どうしちゃったのさ、そんなに慌てて」

玄関に走って旦那を出迎える。すると靴を脱ぎ捨てて俺目掛けて突進。

「俺は…俺はっ…ほわいとでいと言うものをすっかり忘れておったぁああ!」

ああもう、泣きそうな声で…そんなに顔近づけちゃダメだって。
キスしたくなるとか言ったら殴られそうだな。

服のボタンを引きちぎらんばかりに引っ張る旦那に俺はニッコリ笑って言う。

「ああ、ホワイトデーね…大丈夫、俺が昨日の内に女の子達にお返ししといてあげたからさ」

そう言って旦那にあげようと思っていた、小さな包みを旦那の手のひらにのせた。中身は余ったクッキー。(旦那にはもっと凄いお返しがある)
包みを開けてポリリとリスみたいに食べて(だから可愛いんだって)パアッと顔をほころばす。

「まっ真か!流石だ佐助っ」

そう言って笑顔で抱きつかれた日には、ああもう、理性なんて吹っ飛ぶんですけど。
キッチリバッチリ抱き締め返して、首筋を素早く吸って、旦那を肩に抱き抱える。

「さっ佐助?!」

旦那のお尻をポンポンと叩くと、漸く状況を把握したらしい旦那が騒ぎだす。
それをサラッと流して、玄関から居間、寝室へと歩みを進める。

「佐助!降ろさぬかっ!!」
「だーめ、」
「なにを…あっ!佐助佐助!雪だ雪っ」
「なぁに嘘言ってんの、もう三月ですよ…て、ほんとだ」

俺は暴れてた旦那を降ろして一緒に窓に張り付く。
旦那を後ろから雪と交互に見れば、いきなり振り返って至極嬉しそうに笑うもんだから、参ったって言って暫く後ろから抱き締めるだけに留めておいた。
旦那が雪に満足するまで、我慢することにしよう。




(君のためならいくらでも!)







>>ホワイトデーに間に合った。
オカンなさっけ。

なんと、竜弥のとこ雪が降ったんで。
つか駄文過ぎて泣ける。


竜弥




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